『企業レポート』
デサント「マンシングウェア」ブランド再構築元年
update: 2011/08/29
強みの機能性商材を拡充
「マンシングウェア」の11年春夏(3-6月)商戦は、長らく苦戦する百貨店の顧客を主力にしているほか3月の震災も影響して、前年同期比92%と苦戦した。うち、メンズは94%、レディスが90%。5月以降は前年並みに戻ったが、前半のマイナス分を取り戻すまでには至らなかった。商品ラインナップを再編し新しいカテゴリーで臨む12年春夏は109%(メンズ107%、レディス110%)の目標。震災の影響で大きく落ち込んだ3月の減収分を上乗せしてある。
強化ポイントは機能性素材を採用したアイテムの強化。他ブランドと差別化できる機能性を前面に押し出し、他方でゴルフ場の行き帰りあるいはタウンユースのライフスタイル商材も強化する。11年春夏では、太陽光を遮蔽しクーリングと紫外線カット機能を持つ「サンスクリーン」の採用商材が他のアイテムより10%消化率が良かった。クーリング機能がユーザーに評価されたと見ている。
11年春夏のライフスタイル商材の比率は20%で、ゴルフアイテムが80%を占めた。12年春夏ではライフスタイルの比率を35%にまで増やす。プレーと行き帰り・タウンという総合提案できるのが強みだと考えている。以前よりも汎用性に対するニーズが高まっているらしく、特に震災後はこうした傾向が顕著になったという。
12年春夏でも新しい機能性が登場した。太陽光遮断と気化熱の促進でクーリング機能を持つ「NTOC」(エヌトック)がその1つ。衣服内の水分を速やかに外へ排出する吸汗速乾性を計る場合の同社の基準が、60分以内に残留水分が10%以下になること。それを40分以内と厳しく設定し、この素材を開発した。紫外線カット機能もUPF15をクリアしている。そのほか、涼感が長続きするニット「ZOCREY」(ゾクレイ)、編み目が開いて衣服内湿気を放出する「VENTCOOL」(ベントクール)などを採用した。