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『マーケット分析』
—ウインターマーケットは底を打ったか?

update: 2011/02/28

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「ゴールドウイン」に一本化する

「ゴールドウイン」に一本化する

「ゴールドウイン」に一本化する

ブランド政策を見直し

両社ともに来季2011-2012年シーズンは基本的に増収傾向で計画。ただしみだりに売り上げを増やすことは考えておらず、量より質、利益を確実に取っていくことを重視する。その一つが、ゴールドウインの「エレッセ」休止だ。「エレッセ」はレディス、シリアススキーヤーではないファン層を得意にするブランド。詳細を聞くと、決して売れていないわけではなく、今季も利益を確保できる見通しだという。欧州など国外では「ゴールドウイン」ブランド一本で展開しているが、国内だけ「エレッセ」との2本柱だった。グローバルで展開ブランドを統一する、素材や生産背景、納期のタイト化などといった効率化を考えた場合、このタイミングで「ゴールドウイン」ブランドに一本化することが適切だと判断した。来季は増収の計画だ。

他方、デサントは少し異なる切り口の商品群を展開し始める。厳密に言うとスキー商材ではなく、アウトドアだが、今後ウインターのもう1つの核をなす商材に位置付ける意味では注目に値するものだ。「DUALIS」(デュアリス)というライン名で、全世界同時展開する。高機能スポーツ(アウトドア)ウエアを街着として企画した。当然、デザイン性も重視している。機能美といったファッション性も可能な範囲で盛り込んでいる。もちろんこれらのウエアを着て、山を登ることもできる。初年度5億円、3年後に20億円(上代ベース)という売上計画を立てる。

見出しの「ウインターマーケットは底を打ったか?」というテーマからやや脇道に逸れるが、この「DUALIS」という新ブランドには、既存ブランドで取り切れない新しい市場を獲得しようとする強い意志が感じられる。正直、今後どうなるかは未知数だが、こういう停滞した市場環境の時にこそ、新しい提案商材が必要ではないか、と思う。