スポーツ企業によるカジュアルシューズ展開
既存・新規チャネル開拓を目指す
update: 2012/09/03
スポーツ関連企業、主にスポーツ卸企業を中心に、カジュアルシューズブランドを扱うケースが散見される。新規導入ブランドもあれば、ディストリビューターの変更で新たに取り扱うようになった例、既存ブランドでカジュアルラインを設けるなどその方法は様々だ。一般的にスニーカー市場は苦戦していると言われるが、新しい顧客と市場を取り込もうとする目的があるようだ。
シューズ流通中心に拡販
ゼットは2010年から、カジュアルシューズブランド「Zeha」(ツェハ)を展開し始めた。初年度の売上実績は1万1000足、2年目は2万700足、3年目の今年は3万足を目標にする。ドイツのシューズブランドで、元々サッカーシューズを作っていた。近年はカジュアルシューズブランドとしての認知・評価が高まっている。ライセンス契約を交わし、自社ブランドとして展開している。
12年春夏の売上推移は悪くないようだ。展開店舗数は180店で、積極的に増やす予定は今のところない。商品の“弾切れ”が発生したこともあり、上期(4-9月)は計画にやや届かない見通しだが、店頭の反応はいい。
革製シューズに定評がある。顧客の裾野を広げるため、13年春夏モデルではスニーカーに力を入れた。売れ筋価格の1万5000円より廉価なラインも追加した。履き心地などを重視し、オリジナルのアウトソールのモールド(金型)を作製した。
販路は、シューズ専門店が70%強と主力で、百貨店が15%弱、セレクトショップが15%弱の比率。同社が強みにするスポーツチャネルとは一線を画している。エンドユーザー層が異なるため、競技分野とのバッティングはほとんどない。
商品のバリエーションを増やすこと、レディスモデルの拡販、チャネル開拓など課題は多いと言うが、売上推移は前述の通り堅調だ。来期以降も売上足数を増やす計画を立てている。