日本の“アスレジャー”市場の現在(上)
本場・米国と異なる市況
update: 2017/06/07
ファッション要素が強い日本の企画
翻って、日本のアスレジャー市場はどうか? 結論を先に言うと、スポーツウエアの域を出ていない状態だ。これはメーカーなど供給側に問題があるのではなく、日本のアスレジャー市場が充分に醸成されていないためである。
ここ2-3年の間に、マッシュスポーツの「エミ」や「W&E」、ジュンの「ナージー」、ユナイテッドアローズの「アンルート」など、アパレル企業がスポーツ関連の新業態を立ち上げている。確かにスポーツブランドを扱っているが、そのほとんどは“タウンユース”のスニーカーである。機能性素材を使った本格的なスポーツウエアは、自社企画では皆無。そのほとんどはセレクト商材だ。
「ゼビオ」や「スポーツオーソリティ」など、スポーツ専業小売店がファッションチャネルへ出店するケースも増えつつある。スポーツとファッションの融合は着実に進んでいるが、確固たる“アスレジャー市場”を形成するまでには至っていない。(続く)