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ゼットクリエイト 和田耕一 代表取締役社長

今年は“バランスの経営”を重視

update: 2015/06/18

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和田耕一、ゼットクリエイト社長

和田耕一、ゼットクリエイト社長

スポーツ卸のゼットにおいて、本体では製品事業本部長を務めるかたわら、メーカー部門のグループ会社であるゼットクリエイトの社長も兼務する和田耕一氏。デフレの影響が残る市況を鑑み、今期は“バランスの経営”を重視している。強化ポイントは何か、話を聞いた。

主力のベースボールは硬式が堅調

ゼットグループの製品製造を手掛ける部署を総合的に管轄する和田耕一 ゼットクリエイト社長。自社ブランドの「ゼット」「コンバース」を手掛ける。12年4月に就任後、重視してきたことはメーカー機能の強化だった。硬式グラブを中心に「プロステイタス」が主力に育ったベースボールブランドの「ゼット」では、特に力を入れている。

「2014年度の業績は微減収微減益でした。サッカーワールドカップの年は野球が悪いと言われていますが、その通りになってしまった。4月の消費増税や猛暑の影響もあり、売り上げの大きな山を作れなかった。アパレルも売れずに、シーズンが過ぎてしまった観があります。ヒット品が少なく、特にアパレルが苦戦したと思います」

市場は基本的にデフレの基調にあると分析する。市場在庫を適正化すれば需給バランスは正常化するが、簡単な事ではない。主力の野球市場を見ると、日本高等学校野球連盟の硬式の競技人口(部員数)は2014年度で17万312人(3,224人増)と減っておらず、むしろ増加傾向にある。その半面、全国中学校体育大会競技における加盟校の軟式野球の登録生徒数は14年度で22万1,150人(2万1,140人減)と年々、減少している。

「急激な円安で価格を上げざるを得なくなった半面、市場はデフレ基調で難しい状況にある。微減収で済んでいる理由は、硬式に強いゼットだったためで、逆にグラブの評価が高まっている面もあります。グラブは20%弱の伸びでした。特に硬式とオーダーが20%増とけん引役になりました。キャッチャー関係も好調でした。グラブは良いものが出来るようになった。軟式では『デュアルキャッチ』というグラブの売り上げが増えている。元々、弱かった分野なので、自慢できる事ではありませんが…」