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デサント、専務執行役員グローバル事業推進部・グローバル業務部 兼)東南アジア支店 管掌 久保洋三氏

「いかに顧客心理を想像できるか」

update: 2019/11/11

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消費者の感動体験を重視

過去に、取引先としてデサントと接点があったという久保 執行役員。転籍し、デサントの一員となってみて、社員の第一印象はどんなものだったのだろう。

「(旧経営陣との不和もあり)何となく、やりにくい面があるのだろうかと思ったが、そのようなことはなかった。間違いなく、みんな真面目な人が多い。・・しかし、真面目なばかりでは商売にプラスにならないこともある。最初の会議で言ったことは、『ビジネスなので、いい人というだけではなく、もっと積極的になりましょう』と・・」

久保氏は伊藤忠商事でジーンズ課長を務めていたほか、最近では、ジーンズメーカーのエドウインで会長も経験した。直近では伊藤忠商事の食料カンパニープレジデントとして、コンビニエンスストアのファミリーマートとユニーの件にも携わった。こうした経験から、顧客目線で考える思考が醸成されていったようだ。「デサントに転籍して、現場の社員にもっとも伝えたいことは何か?」と聞いたところ、以下のような答えが返ってきた。

「かつて、会長として在籍していたエドウインでも、食料カンパニーのプレジデント時代も共通して、口酸っぱく話していたことは、“売ったと売れたは大違い”だという考え方だ。例えば、自社のアパレル製品が店頭に並び消費者がそれを買う。まだこの段階では売れていない。消費者が自宅へ帰り、試着して鏡に映し気に入る。それでもまだ売れていない。その後、その服を着て友達と会った時、『それ良いわね』と褒められる。褒められた消費者は『またこのブランドを買おう』と思う。その時、初めて“売れた”と言える。これが消費者の本当の『サティスファクション』(満足)だ。デサントに来てからも、同じ事を繰り返し話している」

“いかに顧客心理を想像できるか”──。商品企画をはじめ、各部署のスタッフに日々その大切さを説いている。