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デサント、専務執行役員グローバル事業推進部・グローバル業務部 兼)東南アジア支店 管掌 久保洋三氏

「いかに顧客心理を想像できるか」

update: 2019/11/11

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販売や在庫管理──改善する余地はまだある

数値目標やこの分野を強化するといった具体的な課題は現在、急ピッチで精査している途上。しかし、最重要の強化ポイントは明確だ。中計に書かれている通り、社名ブランドの「デサント」が最強化点である。

「『デサント』ブランドが最重要強化ブランドである事に間違いはない。そのほかのブランドについては、まだ具体的な中期計画や売上計画は策定していない。ブランドの成功とは、売り上げの数字が付いてくること。その観点から見た場合、成功していないブランドが複数あると感じている。これから伸びる余地のあるアジア市場では、今後も成長できるブランドは多いと思う」

多ブランド体制を採る同社。「デサント」は成長軌道に乗っているが、他のブランドについては、まだまだテコ入れ策があると感じている。

「ブランドが効率良く成長するために必要なのは“ライト・パートナー”(正しいビジネスパートナー)。『デサント』ブランドの場合は、Anta社というライト・パートナーが見付かった」

ブランド価値を高めることのほかに、現時点でも現場レベルで改善できる点も多々あると語る。

「商品の企画そのものは専門のスタッフに任せるが、例えば在庫の管理などはアドバイスできる面がある。前よりも精度が上がったとは言え、期末に必ず在庫が残る。どういった色柄の製品が残ったのか、それを見るだけでも次の商品企画の参考になる」

「商品企画はもっと深掘りすればいいと思う。『水沢ダウン』など、他社と差別化できる製品が生まれているわけだし・・。足りない要素は、前述した在庫への意識だとか、売り方だとか、厳しい結果のレビューなど、商品の管理や販売の評価面を改善する余地はあるだろう。PDCAをぐるぐる回す必要があると考えている」

新生デサントが、どのような成長路線を歩むのか。来期(2021年3月期)辺りにその一端が見えてくるだろう。

略歴 久保洋三(くぼ・ようぞう)氏 1958年11月23日生まれ。2010年、伊藤忠商事ファッションアパレル部門長。11年、同社執行役員。12年、同社繊維カンパニー エグゼクティブ バイス プレジデント。14年、同社常務執行役員。同年、エドウイン代表取締役会長。16年、伊藤忠商事常務執行役員 食料カンパニー エグゼクティブ バイス プレジデント。17年、同社 食料カンパニープレジデント。19年6月から現職。60歳。