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ゴールドウイン、2022年3月期 第2四半期
コロナ禍を切り抜け、増収増益を達成

update: 2021/11/08

決算会見に臨むゴールドウイン、 渡辺貴生社長

決算会見に臨むゴールドウイン、
渡辺貴生社長

ゴールドウインの2022年3月期第2四半期(4-9月)連結決算は、コロナ禍を切り抜け、増収増益を達成した。売上高は計画未達だったが2ケタの増収。販管費率の抑制が進んだ事もあり、計画比を上回る増益となった。

「ザ・ノース・フェイス」のアパレルが前年実績上回る

ゴールドウイン、2022年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2022年3月期 第2四半期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は382億800万円(21.1%増)で2ケタの増収。当初予測の413億円は下回った。コロナ禍に伴う店舗閉鎖の影響が大きかった。利益面は経費コントロールが功を奏し、営業利益が32億9,900万円(166.8%増)と大きく改善した。同様に経常利益も38億3,500万円(174.8%増)と大幅な増益となった(表1を参照)。

事業区分別では、高機能訴求の「パフォーマンス」が売上高132億3,600万円(47.3%増)と大きく回復した。アウトドアやランニングなどがけん引役になった。主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」のアパレルが前年実績を上回った。

ゴールドウイン、2022年3月期 第2四半期 ブランド別売上高(表2)

ゴールドウイン、2022年3月期 第2四半期
ブランド別売上高(表2)


タウンユースを意識したボリュームの「ライフスタイル」は売上高222億3,000万円(11.8%増)と2ケタの増収だった。コロナ禍前の一昨年の実績を上回り、好調に推移した。「ファッション」のカテゴリーは売上高27億4,200万円(2.2%増)でほぼ前年並みだった(表2を参照)。

在庫の適正化が進む

直営店は3増の164店。自主管理売り場の売上比率は58%(1ポイント増)と過去最高になった。コロナ禍による自粛で店舗閉鎖が多く発生したが、郊外型店舗が健闘した。Eコマースの売上高も順調に伸びている。通期で120億円超、売上比率も14%台(2021年3月期は12.4%)に到達しそうな勢いだ。

懸案の1つだった棚卸資産(在庫)の適正化も進んでいる。前年同期比で87%と削減が進んだ。下期も上期同様、前年を下回る推移の計画だ。ベトナムのロックダウンにより、納品に一部遅れが見られたが、現在は安定しつつある。コスト高の影響も吸収できる見通しである。

通期の業績予測は不透明な市場環境を鑑み、据え置いている。連結売上高1,000億円(10.5%増)、営業利益140億円(5.7%減)、経常利益152億円(4.9%減)、当期純利益103億円(4.0%減)の計画だ。