エスエスケイ、2025年7月期(非上場)──減収、粗利減で損失を計上
update: 2025/10/21
スポーツ卸のエスエスケイ(非上場)が10月20日に開示した2025年7月期(第76期、2024年7月21日―2025年7月20日)決算は、主力のアスレ分野やアパレルが苦戦したこともあり、減収となった。販促費の増加や新基幹システムの本格稼働に伴う減価償却の増加などが影響し、損失を計上するに至った。種目別では、ラケットスポーツやフットウェアなどが健闘した。
卸の主力ブランドの取扱休止がマイナス要因に
売上高は453億7,300万円(2.1%減)の減収に至った。売上総利益率(粗利率)は16.4%(2.4ポイント減)と減少した。卸の主力ブランドの取扱休止がマイナス要因になった。海外ブランドの販売実績が当初の見込みを下回った影響もあり、在庫回転率が鈍化。期末に実施した評価の見直しの影響もあり、粗利率が悪化した。販管費率は低下したが、粗利の減少が大きく、営業損益は7億4,900万円(前期は1億3,800万円の利益)の損失を計上するに至った。
経常損益も4億1,000万円(前期は5億2,000万円の利益)の損失を計上した。グループ会社の利益などが加わり、損失幅は小さくなった。当期純利益は、有価証券の売却益により、4億6,100万円(126.1%増)と増益を達成した(表1を参照)。
部門別の売上高では、「アスレティックスポーツ」が155億2,700万円(3.7%減)と伸び悩んだ。主力の「野球」や「サッカー」は苦戦。「ラケットスポーツ」が堅調だったほか、「スクールスポーツ」は前年度に続き2ケタ増と健闘した。「ヒュンメル」ブランドが約15%増と順調に成長している。
一方、「ライフスタイルスポーツ」は298億4,600万円(1.2%減)と伸び悩んだ。アパレル(23.7%減)がマイナス要因となった。前年度に苦戦した「フットウェア」は183億5,900万円(9.4%増)と復調した。(表2を参照)。
通期の業績は、売上高443億円(2.4%減)、営業利益1億円、経常利益4億500万円、当期純利益2億9,000万円(37.1%減)で増収、黒字回復を計画する。「仕入れと販売のバランスの正常化、顧客との関係強化、適正な販管費の見直し」(佐々木恭一 代表取締役社長)を中心に改善を図り、黒字回復を目指す。