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ゴールドウイン、2020年3月期 連結決算
アウトドアがけん引、過去最高収益を達成

update: 2020/05/15

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主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」や 「カンタベリー」がけん引役になった (写真はザ・ノース・フェイス原宿店)

主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」や
「カンタベリー」がけん引役になった
(写真はザ・ノース・フェイス原宿店)

ゴールドウインの2020年3月期連結決算は、主力の「アウトドアブランド事業」が引き続き好調だったほか、ラグビーワールドカップ(W杯)効果で「カンタベリー」が過去最高収益を達成するなど好調に推移し、増収増益となった。売上高は10期連続の増収、営業利益は12期連続の増益を達成した。

「ザ・ノース・フェイス」「カンタベリー」が健闘

ゴールドウイン、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2020年3月期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は978億9,900万円(15.3%増)の2ケタ増となり、2期連続で過去最高額を更新した。営業利益は174億8,000万円(47.4%増)の増益で、3期連続の最高額更新となった。販売ロスの低減が進んだことで、売上高総利益率(粗利率)が53.5%(2.9ポイント増)と改善。販管費率も低下したことで、収益性がさらに改善した(表1を参照)。

ブランド事業別の売上高は、主力の「アウトドア関連」が779億1,500万円(20.4%増)と2ケタの増収となった。「ザ・ノース・フェイス」は顧客層が拡大し、2ケタの成長を持続している。「アスレチック関連」は142億7,500万円(3.0%増)。「エレッセ」「ダンスキン」「スピード」は伸び悩んだが、「カンタベリー」がラグビーW杯効果で収益に貢献した。「ウインター関連」は26億4,600万円(3.2%増)。暖冬の影響でスキー関連は苦戦したが、リブランディングした社名ブランド「ゴールドウイン」が堅調な推移だった(表2を参照)。

ゴールドウイン、2020年3月期 ブランド事業別売上高(表2)

ゴールドウイン、2020年3月期
ブランド事業別売上高(表2)


消費増税や暖冬、新型コロナウイルスなど個人消費にマイナスの影響をもたらす要因が山積する中、好業績を達成した理由として、「顧客からブランド価値に対する信頼が得られている」(渡辺貴生 代表取締役社長)ことを挙げた。同時に数年来、取り組んできた黒字体質の強化が数字となって表われた形だ。コロナ禍により、期末の棚卸資産(在庫)は増加したが、高い収益性を保っている。