ミズノの新業態ショップ戦略(上)
東京・原宿に「NOHARA BY MIZUNO」をオープン
update: 2014/04/07
ミズノが4月5日、東京・原宿に新業態ショップ「NOHARA BY MIZUNO」(ノハラ バイ ミズノ)をオープンした。「Sports Living Room」をコンセプトにした直営店で、物販のほか、フィットネススタジオや飲食など、トータルにサービスを提供する点が特徴だ。既存の直営店やウオーキングシューズを主体にした「ウエルネスショップ」とは一線を画した新しい店舗に位置付ける。
新しいブランドの一面を発信する
同ショップはJR原宿駅からほど近い、表参道に面した一角に居を構える。周辺に国内外のスポーツブランドの直営店が集積する激戦区だ。ミズノは競技主体の直営店やウオーキングシューズを軸にした「ウエルネスショップ」などの小売展開を進めているが、より感度を若くした女性も利用しやすいファッションテイストを取り入れたショップ展開で、非物販を絡めた展開は少なかった。
居抜きで改装された売り場は2階にあり、物販ゾーンや飲食・スタジオなどで構成する居心地の良い空間に仕上げた。スポーツウエアやシューズの物販ゾーンをはじめ、フィットネススタジオ、カフェ、ランニングステーションとしても活用できるロッカールームなど様々な種類のサービスを提供する。「スポーツやファッションを楽しむ人が気軽に集まる場所にしたい」という思いやコンセプトを具現化したショップ。ショップの看板は控えめで、隠れ家的な雰囲気を持っている。
従来、ミズノが強みにしていた純競技のテイストは薄い。「健康に対する関心の高い一般ユーザーが過ごせる場を提供したいという思いでこのショップを作った」(水野明人社長)という。内装は外部に委託し、白を基調にした“癒し系”の売り場にした。健康を軸にした、物販だけに頼らない新しいブランドイメージの新業態を開発した。物販ゾーンの中央には月2回のペースで内容が変わるイベント・情報発信スペースを設けた。ワークショップとして活用する構想もある。
売り場面積は約131坪。物販ゾーンが40坪、ランニングステーションが35坪、カフェが26坪、スタジオが11坪、共有スペース19坪という構成である。買い物はもちろんのこと、カフェやスタジオなど時間消費型の利用も可能だ。競技やウオーキングといったハードで年齢の高いイメージが強かった従来の直営店だが、新店は全く新しい「ミズノ」ブランドの世界観を発信しようとしている。