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ゼットクリエイト 和田耕一代表取締役社長
「インパクトのある商品を作る」
「物を売る力」も必要

update: 2012/10/09

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ゼットクリエイト、 和田耕一社長

ゼットクリエイト、
和田耕一社長

今年4月、ゼットクリエイトの代表取締役社長に就任した和田耕一氏。昨年7月、ゼットクリエイトの顧問に招かれ、同年10月には取締役社長代行に就任していた。今期から、ゼットグループのメーカー部門を担うゼットクリエイトの社長として自社品の再強化に取り組んでいる。


13年春夏展示会の受注が110%に

スポーツ卸ビジネスを展開するゼットは、連結売上高の半分以上が代理店業務による収益だ。一方でメーカーとして自社品も販売しており、ゼットクリエイトがその業務を担っている。主力ブランドはベースボールの「ゼット」、バスケットボールの「コンバース」。「コンバース」はバスケット市場でシェアNO.1のブランドになった。「ゼット」はベースボール市場が停滞している影響もあり、横ばいの傾向にある。

昨今のスポーツ市場について和田社長は、「可もなく不可もない。チーム需要は落ちていないが、個人需要が落ちている」と分析する。「ゼット」も「コンバース」も売り上げの変動が少ない競技スポーツ市場を対象にしているため、シェアの拡大が売り上げの拡大に直結する。

「コンバース」はシェアトップをとったが、「ゼット」ブランドは2番手グループにあり、より差別化された商材が必要になっていた。

「2番手のメーカーは、よりインパクトのある商品を作らなければ、トップメーカーと勝負できません。2番手がやったことを後追いするのはトップメーカーの手法。2番手がトップと同じことをやっていたのでは勝ち目はありません」

展示会で好評だった埋め込み式スパイクシューズ 「グランドジャック」

展示会で好評だった埋め込み式スパイクシューズ
「グランドジャック」

目に見えて効果が表れたのが、6月に開催された「ゼット」13年春夏展示会。受注量が12年春夏対比で110%と2ケタ増を達成した。小売店が分かりやすいように、強化する商品を絞り込み、何を売り込みたいのか分かりやすくした。特に埋め込み型のスパイクシューズ、カーボンを採用した軟式バットの「ブラックキャノン」が受注を増やした。スパイクシューズは耐久性・対摩耗性が特長。バットは打球部がカーボンの3層構造で、各層を接着せず独立させているため打球時の反発力が向上した。分かりやすい機能性も支持を集めたと思われる。

「『ゼット』ブランドとして、何をやればいいのか分からなくなっていました。来シーズンはこれを強化するという明確なメッセージを小売店に投げかけること、重点商材をはっきりさせることに気を使いました。以前からお取引のあった既存店の発注量が増えました。『ゼットとして何を売るかがよく分かった』というお声が多かった。展示会の意図を理解していただけたと思います」