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デサント、専務取締役グローバルビジネスユニット管掌
兼デサントGBMマネージャー、田中嘉一氏
「個性に適したブランドビジネスを展開するべき」

update: 2016/06/06

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デサント、田中嘉一専務

デサント、田中嘉一専務

先の2016年3月期決算で過去最高収益を達成したデサント。これで6年連続の増収増益である。韓国市場を中心としたアジアビジネスが好調のほか、国内の売り上げも堅調だ。また、強化ポイントだった社名ブランドの「デサント」が売上比率でナンバーワンになった。好調が続く同社の強み、その要因は何か? 専務取締役グローバルビジネスユニット管掌兼デサントGBM(Global Brand Management)マネージャーの田中嘉一氏に話を聞いた。

「タイミングのいい施策が功を奏した」

デサントの2015年度(2016年3月期)の業績は、連結売上高が1,357億円、営業利益が103億円、経常利益が110億円と増収増益だった。売り上げも利益も2ケタ増を達成した。海外売上比率は60%に達し、利益面でも大きく貢献している。増収増益が始まったのは6期前のこと。それまでは多額の負債もあり、早急な再建が必要な状態だった。現場でその推移を見守ってきた田中嘉一専務はどのように分析しているのか。

デサント、 2016年3月期 財務諸表

デサント、
2016年3月期 財務諸表

「各タイミングで必要な施策を打てたこと──これが一番大きな理由ではないでしょうか。守りだけでもいけないし、攻めばかりでもいけない。歴代社長の政策がその時々のデサントに最適だったと感じます。当時はみんな必死でしたし……6期連続の増収増益の理由も、結果が出た今だから話せるのだと思いますが」

トップの指令、方針が現場にまで浸透していたということなのだろう。2015年度決算と同時に発表された新中期5カ年計画「VISION 2020」では、2020年にグループ売上高2,000億円、経常利益160億円という明確な数値目標を掲げている。どこへ向かうのか、何を目指すのかが、社内で共有されている印象を受ける。

「社員の意識はそれほど変わっていないかも知れません。しかし、常々言っているのですが、各立場で自分の上司が仕事上の判断において『どうジャッジするのか』と考えながら動くと、全体最適につながる……そうすると組織全体が活性化していくと思います」

高い収益性を維持する一方で、財務面も健全だ(別表参照)。手元流動性資金(現金及び現金同等物)も売り上げの2.2カ月分あり、またD/Eレシオは0.083と無視してもいい低い水準だ。デサントコリアで直営店ビジネスを手広く展開しているため、売上高総利益率(粗利率)が高くなっている。56%と言えば、国内ファッションアパレル企業と同水準である。