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『注目パーソン・インタビュー』
ミズノ、松下真也 取締役 ゴルフ事業、広報宣伝担当

update: 2011/10/24

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主力のアイアンクラブ(写真は「MP-69」アイアン)

主力のアイアンクラブ(写真は「MP-69」アイアン)

「カスタムフィッティングの比率は売り上げの3分の1を越えました。今では40%近くになっています。特にアイアンは40%を超えています。(上級者向けの)『MP』では50%を超えています。しかしこれだけ比率が高まると効率は悪くなりますが、各ゴルファーに適したクラブを提供していくことを考えれば必要なことでしょう」

同社養老工場の別注ラインの生産も過去最高だという。月産1万5000本(アイアンのみ)を超えている。閑散期の8月単月でも1万2000本(前年比30-40%増)に達した。

中上級者に適したカスタムフィッティングが好調な半面、エントリー層向けのモデルも売れている。ほかのスポーツ分野で見られる上代価格の2極化がゴルフクラブでも見受けられる。エントリーモデルは「ティーゾイド」や「ゼファー」などでカバーし、「JPX」や「MP」へつなげる役割を担う。

海外でも好調に推移

「特に米国で良く伸びました。10年後半から店頭でフィッティングシステムを導入し始めましたが、これが当たった。『PFS』(パフォーマンスフィッティングシステム)と呼んでいますが、『JPX』アイアンだけで120%(10年9月から11年8月までの実績)を超える数量が出ています」

「在庫のやり取りも世界でやれるし、グローバル戦略がやりやすくなりました。ゴルフの売り上げの半分は海外ですし、社内で(グローバル化が)最も進んでいる部門でしょう」

カスタムフィッティングのような商品政策のほかに、商品企画・投入の効率化も図った。従来11月開催の展示会を7月に変更した。年明けの新製品投入に間に合わせるためだ。生産の精度を高めることができた。

「小売店の役割は大きいと思います。お店のお薦めはユーザーにとって有効だと思います。ゆえにわれわれも組める小売店とはしっかり組んでいきたい。安売りすることも少なくなりますし、ブランドイメージが壊れることもない。儲かると分かればより積極的に取り組んでもらえるようになります」

昨年秋にオープンした「ミズノゴルフスタジオ ハービスプラザエント」(大阪市北区)は生徒数が150-160人。60-70%が女性客だという。目標は300人を目指している。

「最近の小売店ではゴルフスクールと絡めて出店するケースが増えている。スクール事業でもしっかり結果を出していきたいと思います。女性はゴルフをやりたいという人が多いと思いますが、まだ接する機会が少ないのではないでしょうか。当社のゴルフは男性が主力。女性ゴルファーの認知度も高めていく必要があるでしょう」

略歴
松下真也(まつした・しんや)氏 1954年生まれ。77年ミズノ入社。95年広報宣伝部次長。97年広報宣伝部長。01年商品開発部長。06年ゴルフ事業部長。08年取締役(グローバル・ゴルフ事業、ゴルフ事業部担当)。11年6月から現職。