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2026年のスポーツ市場を展望する──収益力の向上が続く国内スポーツ企業

update: 2026/01/05

国内上場スポーツ企業4社+1、 2026年3月期 第2四半期まとめ(表1)

国内上場スポーツ企業4社+1、
2026年3月期 第2四半期まとめ(表1)

2025年も円安やコスト高などマイナス要因はあったが、国内スポーツ企業は健闘を見せた。主要な国内上場6社(アシックス、美津濃、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、順不同)の業績は、堅調な推移の企業が過半数を占めるに至った。ITの活用やEC、直営店の出店など、DTC(Direct to consumer)の取り組みはますます盛んになってきている。

自社の強みを発揮できる得意分野の強化が進む

アシックス、2025年12月期 第2四半期(表2)

アシックス、2025年12月期
第2四半期(表2)

2026年は冬季オリンピック、サッカーワールドカップという世界規模のスポーツ大会が開催される予定。スポーツビジネスにプラスになることが期待される。その一方で、自社の強みを発揮できる競技や得意分野を優先的に強化、投資する傾向も強くなっている。もちろんスポーツイベントの開催は追い風になるが、持続性がない。普段から地道にファンの開拓を進める姿勢を重視する企業が多くなっている。

スポーツ代理店(卸)やスポーツ小売店の再編により、流通形態も新しい時代に入った。特に以前の日本国内では、卸先の小売店との住み分けを気にするあまり、大々的な直営店展開が少ないという特徴があった。ITなど物流や販売を効率化する技術が進んだことも後押しし、メーカーが自ら自社商品をエンドユーザーに販売、提供するDTCという形態が市民権を得るようになった。

2025年も引き続き、ブランドの世界観を発信する基地で、エンドユーザーとのタッチポイントにもなる直営店の強化が進んだ。小売店との協業も広く浅くから、より深く専門性を伴った形態へと変化を続けている。また、シューズやアパレルにおいては、一般のファッションブランドとの協業や競合が増えている。もちろん、最も強みにする競技分野は引き続き強化していくが、市場規模の大きいライフスタイルと呼ばれる分野の開拓も欠かせない要素となった。

SDGsやリサイクルなど、ブランドに付加価値を与える要素も、留意すべき取り組みの1つになってきた。直接、収益性の向上にはつながらないが、ブランド価値を高める上では、意識するべき存在である。

国内企業を中心とした好調な傾向はどこまで続くのか。政情や経済が不安定な地域もあり、不確定要素も少なくない。ファンを囲い込み、恒常的に収益を高めていける企業体の構築がますます重要度を増している。