外資系上場スポーツ企業、2024 年12 月期の業績展望──① adidas Group
前年に引き続き、利益率の改善が当面の課題に
update: 2025/01/27
2024年12月期の主要な外資系上場スポーツ企業の本決算開示を間近に控えた現時点で、主要各社の業績を展望する。1 回目は、adidas Group(アディダス社)を取り上げる。前期(2023 年12 月期)は減収減益、当期損益で損失を計上するなど苦戦した。売上収益もコロナ禍前の水準に戻っていない。当期(2024 年 12 月期)は第 3 四半期終了時点で、1ケタの増収、2 ケタ以上の増益と復調傾向にある。
前年度は欧米地域が苦戦
過去5 年間の業績の推移を比較した。表1 は、5 年前の2019 年12 月期の業績と昨シーズンの2023 年12 月期を併記したものである。売上規模、利益共に減少している。当期損益は、損失を計上するに至った。
前期の地域別では、主力の「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)と「North America」(北米)の欧州地域が苦戦傾向。売り上げの3 番手にまで成長した「Greater China」(中華圏)は横ばいだった。日本を含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)は横ばい。「Latin America」(ラテンアメリカ)が増収だった。
財務面では、商品回転率が3.0 から2.1 に低下。交差比率は156.0 から99.8 へ下がっている。自己資本比率も32.9%から25.4%と大きく減少した。その影響もあり、D/E レシオが0.650 と増えている。
今期の第 3 四半期終了時までは、1 ケタの増収、2 ケタ以上の増益と復調傾向にある。在庫とコストをコントロールし、再び増収基調へ乗ることができるだろうか(続く)