外資系上場スポーツ企業、2024年12月期の業績展望──② PUMA
収益力の回復が当面の課題
update: 2025/01/29
2024年12月期の主要な外資系上場スポーツ企業の本決算開示を間近に控えた現時点で、主要各社の業績を展望する。第2回目は、PUMA(プーマ社)を取り上げる。前期(2023年12月期)は微増収減益で、プラス成長が一段落した。当期(2024年12月期)は第3四半期終了時点で減収減益と苦戦している。
各部門で業績が伸び悩む
アディダスの章と同様に、過去5年間の業績の推移を比較している。表1は2023年12月期と2019年12月期の業績を併記した。2019年以降、順調な成長を続けてきたが、前期(2023年度)は、増収となったが、減益となった。
地域別の売り上げでは、「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)がけん引役になって来た。急成長したのは、「Americas」(米州)で、2022年度には36億8,500万ユーロにまで拡大したが、2023年度でブレーキが掛かった。日本を含む「Asia/Pacific」(アジア・太平洋)も着実に規模を拡大している。
商品別でけん引役になっているのは、主力の「Footwear」(フットウエア)、シューズ類。過去5年間で売上規模がおよそ2倍にまで増加した。「Apparel」(アパレル)は2023年度で落ち込んだ。
当期の第3四半期時点では、減収減益と苦戦傾向が続いている。「EMEA」が2.6%減、「Americas」は0.2%増と横ばい傾向にある。「Footwear」「Apparel」共に伸び悩んでいる。当面の課題は、収益力の回復だろう。(続く)