adidas Group、2023年12月期 連結決算──欧米ビジネスが低調、減収減益に

update: 2024/03/18

adidas AG（アディダス社）の2023年12月期連結決算は主力の欧米ビジネスが低調だったこともあり、減収減益に至った。為替ニュートラルの売上収益ではほぼ前年並みだった。売上総利益率（粗利率）は微増したが、原材料高などコストがかさんだこともあり減益となった。

主力の欧州、シューズが伸び悩む

連結の売上収益は214億2,700万ユーロ（約3兆3,211億8,500万円、1ユーロ＝155円で換算）、4.8％減で減収となった。粗利率は47.5％（0.2ポイント増）と微増した。販管費率が増えたこともあり、営業利益が2億6,800万ユーロ（約415億4,000万円、同）、59.9％減の大幅な減益に至った。

税引前利益も6,500万ユーロ（約100億7,500万円、同）、83.1％減と大きく落ち込んだ。当期純損益は所得税の支払いが影響し、7,500万ユーロ（約116億2,500万円、同）の当期純損失を計上するに至った（表1を参照）。

地域別の売上収益は、主力の「EMEA」（欧州・中東・アフリカ）が82億3,500万ユーロ（約1兆2,764億2,500万円、同）、3.7％減の減収となった。「North America」（北米）も52億1,900万ユーロ（約8,089億4,500万円、同）、18.5％減と落ち込んだ。「Greater China」（中華圏）は31億9,000万ユーロ（約4,944億5,000万円、同）、0.4％増とほぼ前年並みだった。

製品別の売上収益は、主力の「Footwear」（フットウエア）が121億3,900万ユーロ（約1兆8,815億4,500万円、同）、1.2％減とやや低調だった。「Apparel」（アパレル）は78億600万ユーロ（約1兆2,099億3,000万円、同）、10.6％減と苦戦した（表2を参照）。

通期の売上収益は、為替ニュートラルで1ケタ台半ばを想定している。営業利益は5億ユーロ前後（約775億円、同）の見通しだ。