TOP > 財務分析レポート > 外資系上場スポーツ企業、2024年3月期の...

外資系上場スポーツ企業、2024年3月期の業績展望──③ Under Armour
収益性の底上げが当面の課題

update: 2024/02/05

UNDER ARMOUR、2022年度・2019年度 財務数値一覧(表1)

UNDER ARMOUR、2022年度・2019年度
財務数値一覧(表1)

2023年度の主要な外資系上場スポーツ企業の本決算開示を間近に控えた現時点で、主要各社の業績を展望する。第3回目は、Under Armour(アンダーアーマー社)を取り上げる。2022年度から、決算期が12月期から3月期へ変更されたため、比較する時期は異なる。前期(2023年3月期)は増収減益だった。2019年度と比べ、収益性は大きく変化していない。

アパレルは横ばい、北米が苦戦傾向

UNDER ARMOUR、2022年度・2019年度 セグメント別売上収益(表2)

UNDER ARMOUR、2022年度・2019年度 セグメント別売上収益(表2)

2023年3月期は決算期移行時期のため、一部前年比のない決算数値の項目がある。連結売上収益は59億300万米ドル(約7,791億9,600万円、1米ドル=132円で換算)、27.0%増と2ケタの増収。プロモーション費用の増加、チェーンサプライのコスト増、為替変動などが影響し、売上総利益率(粗利率)が44.9%(4.7ポイント減)と落ち込んだ。

販管費率は低下したが粗利率の低下が影響し、営業利益は2億8,300万米ドル(約373億5,600万円、同)、15.0%減となった。税引前利益は営業外収益の計上で2億8,700万米ドル(約378億8,400万円、同)、13.4%増と増益に至った。

2019年12月期(2019年度)は前期までの「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)の計上がなくなり、黒字を回復した。当期(2024年3月期)は第2四半期時点で微増収、増益。利益率に改善が見られる。

部門別売上収益では、主力の「Apparel」(アパレル)が横ばい。地域では、主力の「North America」(北米)が18億1,800万米ドル(約2,708億8,200万円、同)、5.4%減と苦戦傾向にある。(続く)