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外資系上場スポーツ企業、2021年12月期の業績展望──③ Under Armour
足踏み状態が続く収益

update: 2022/01/28

Under Armour、2020年12月期 財務数値一覧(表1)

Under Armour、2020年12月期
財務数値一覧(表1)

2021年12月期の外資系上場スポーツ企業の2021年12月期を展望する。3回目は、Under Armour(アンダーアーマー社)を取り上げる。前期(2020年12月期)はコロナ禍の影響に加えて「Restructuring and impairment charges」(事業の再構築および減損費用)の計上が足を引っ張り、2ケタの減収、損失計上に至った。今期は着実に業績が回復しており、第3四半期時点で利益を確保している。

収益のカギ握る主力の「North America」

Under Armour、2016年12月期 財務数値一覧(表2)

Under Armour、2016年12月期
財務数値一覧(表2)

Under Armour の2020年12月期(2020年度)は、連結の売上収益が44億7,400万米ドル(約4,608億2,200万円、1米ドル=103円で換算)、15.1%減で2ケタの減収。売上総利益率(粗利率)は48.3%(1.4ポイント増)と改善したが、「Restructuring and impairment charges」(事業の再構築および減損費用)6億100万米ドル(約619億300万円、同)の計上が大きく影響し、営業損失6億1,300万米ドル(約631億3,900万円、同)を計上するに至った。

5期前の2016年12月期(2015年度)と2020年度を比較すると、売上額、利益共に下回っている。効率性指標も悪化した。主力の「North America」(北米)の売上規模が大きく、ここの結果が良くも悪くも収益に直結する。2021年12月期第3四半期時点では、売上高27億4,700万米ドル(約3,049億1,700万円、同)、35.9%増と復調してきている。

Under Armour,Inc. 2021年12月期 第3四半期 財務数値一覧(表3)

Under Armour,Inc. 2021年12月期
第3四半期 財務数値一覧(表3)


2021年度は、第3四半期まで順調に推移している。前期の利益額を上回っている。コロナ禍の影響で一時的に成長は鈍ったが、5期前から着実に業容は拡大している。収益も2016年度の水準にまで回復してきた。2016年度並みの実績を回復し、2022年度は成長路線に乗せたいところだ。(終り)