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主要上場スポーツ企業5社、2022年3月期 第2四半期まとめ
全社が増収、黒字回復を達成

update: 2021/11/19

主要上場スポーツ企業5社、2022年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

主要上場スポーツ企業5社、2022年3月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

主要な上場スポーツ企業5社の2022年3月期第2四半期(4-9月)の連結決算が出揃った。コロナ禍で苦戦した前年同期と打って変わり、全社が2ケタの増収となった。利益面でも、軒並み増収あるいは黒字回復を達成した。一昨年(2019年度)の実績を上回ったのは2社にとどまったが、利益面では最高益を確保した企業が過半数となった。

高い利益率、アウトドア系スポーツがけん引役に

主要上場スポーツ企業5社、2022年3月期 第2四半期 地域別・セグメント別売上高(表2)

主要上場スポーツ企業5社、2022年3月期
第2四半期 地域別・セグメント別売上高(表2)

対象にしたのは美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも決算期は3月期で、今年9月末に第2四半期を迎えた企業だ。全社が増収を達成したほか、利益を確保するに至った。自粛要請の影響など、コロナ禍のマイナス要因はまだ続いているが、各社の業績は着実に回復しつつある。

ミズノは国外でゴルフやランニングが好調に推移し、2ケタの増収となった。営業利益は連結決算の開示が始まって以来の最高益を達成した。また、野球ビジネスが前年同期比で44%増と大きく回復したほか、サッカービジネスも同30%増と好調に推移した。いずれもコロナ禍前の数値を上回った。

デサントも2ケタの増収。特に日本ビジネスと韓国ビジネスが復調した。引き続き「デサント」ブランドがけん引役になっている。利益面では、日本の営業利益が9年ぶりに韓国を上回った。

ゴールドウインは増収増益を達成した。各社がコロナ禍で苦戦する中、前年度も黒字を確保した数少ない企業だ。売上総利益率(粗利率)が微減しているのは、アウトレットなど値引き販売が増えた事によるもの。四半期純利益は過去2番目の水準となった。事業区分別では、汎用性の高い「ライフスタイル」分野が過去最高額を更新した。

ヨネックスはChina(中国)のバドミントン用品、北米のテニス用品などが好調に推移した。売上高は2ケタの増収で、第2四半期としては過去最高額を達成した。営業利益も黒字化を果たし、第2四半期累計で過去最高益となった。