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帝人フロンティア、2027年春夏シーズン 機能素材展──幅広い着用シーンへ吸汗クーリング素材を提案

update: 2025/12/10

幅広い着用シーンで着用できる吸汗クーリング素材 「CARAT® X」(カラット エックス)

幅広い着用シーンで着用できる吸汗クーリング素材
「CARAT® X」(カラット エックス)

帝人フロンティアは2027年春夏シーズンの機能素材展において、幅広い着用シーンで着用できる吸汗クーリング素材「CARAT® X」(カラット エックス)を開発、提案した。スポーツシーンを中心に展開するが、一般アパレルなど広範なアイテムへの採用も目指す。

吸水速乾、遮熱など盛夏に要求される要素を盛り込んだ「CARAT® X」

同社の2025年度(2026年3月期)のスポーツを主体とした機能素材ビジネスの通期業績は、増収増益の見通しだ。国外は大手スポーツ企業やアウトドアが健闘した。特に北米向けのビジネスが堅調だった。欧州は前年比並みの推移。一方、国内市場は上期が好調に推移したが、下期は生産の遅れなどが影響したこともあり、前年並みの推移である。

春夏シーズンにおいては、高機能性の追求に加え、アパレル企業が採用しやすい生活シーン向けの機能素材のニーズも高まっている。天然繊維テイストの質感と着心地に高い機能性が備わっている素材が求められている。

軽量で適度な保温性を持つ 「Octa®」(オクタ)も需要が高まってきた

軽量で適度な保温性を持つ
「Octa®」(オクタ)も需要が高まってきた

こうした昨今のトレンドやニーズを鑑み、27年春夏展では新たに、吸汗クーリング素材「CARAT® X」(カラット エックス)を開発、提案した。肌面に撥水性の糸と吸水性の糸を配した「カラット®」、表面には、芯部に遮熱性を持たせるため、高濃度酸化チタンを配した芯鞘構造の原糸を採用している。吸水速乾、遮熱性、防透け機能、UVカット機能をバランス良く持たせた。同素材はニットに加え、ニーズの高まりが予想される織物も展開する予定だ。

軽量で適度な保温性を持つ「Octa®」(オクタ)も欧米の顧客に加え、新興市場のChinaにおいて急速に需要が高まってきた。安定した品質と機能性が評価されている。また、再生ポリエステルを使用した「ASTY®」(アスティ)も、スパン調の風合いに人気が集まっている。そのほか、既存のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)素材「SOLOTEX®」(ソロテックス)をブラッシュアップしたニット素材「SOLOTEX® DELITE®」(ソロテックス デライト)も引き続き提案している。