東洋紡グループ、繊維総合展「IC&I:市」2022年春夏シーズン
抗菌、安全、サステナブルをキーワードに
update: 2020/12/18
東洋紡グループが一堂に会した繊維の総合展「IC&I:市」(2022年春夏シーズン)が12月の第2-3周にかけて、東京及び大阪で開催された。前回(2021年秋冬シーズン)はコロナ禍の影響で中止されたが、今回は予防措置を施した上で、リアルな会場での開催に漕ぎ着けた。
スポーツ向け素材では高捲縮ニット「スクラムテック®」を提案
今回の展示会のテーマは「MAMORU」(マモル=守る)。コロナ禍で人々の健康や安全に対する意識が高まった事、また環境保全を念頭に置いたサステナブルの取り組みが増えている昨今のトレンドを鑑み、「抗菌」「サステナブル」に関連する機能素材を提案した。
スポーツ向けの素材では、新たに高捲縮ニット「Scrumtech®」(スクラムテック)を開発した。高捲縮糸と高弾性糸を組み合わせたニット生地で、布帛ライクな表面感が特徴だ。ハイゲージで高密度な組織のため、生地に適度な“張り”がある。ニット生地だが、服にした時には体形が出にくくなり、布帛ライクに仕上がる。
昨今のスポーツウエアにおいて、「薄手で適度な張りがある布帛ライクなニット地」のニーズが高まっている。数年来、“スパン調”で杢のトレーニングウエアがメーンになっているスポーツシーンだが、「スクラムテック」はタウンユースも視野に入れた進化版の高捲縮ニットに位置付けられる。スポーツウエアに加え、機能的なジャケットやシャツなどにも応用が可能だ。
「抗菌・抗ウイルス」をコンセプトにした機能素材では、抗菌ウイルス加工生地「NANOBARRIER®」(ナノバリアー)を提案した。いわゆる「SEK」と呼ばれる抗ウイルス加工の認証を受けた素材で、生地の表面に付着した特定のウイルスの繁殖を抑える機能性を持つ。白衣やユニフォームの分野が先行しているが、行く行くはスポーツでの採用も視野に入れている。
「サステナブル」では、強みである綿の加工技術に再度こだわった。オーガニックコットンをはじめ、未晒の綿を材料にした不織布など、エコロジーの観点から素材開発を行った。