主要素材メーカー、2020年秋冬展まとめ
基幹素材の深掘りを進める
update: 2019/07/01
国内の主要な素材メーカーの2020年秋冬展の傾向をまとめた。対象企業は東レ、帝人フロンティア、東洋紡STCの3社。主力のスポーツ分野において高機能素材の深掘りや基幹素材の強化を図る一方で、一般衣料分野の開拓にも力を入れている、
カジュアル市場も意識
2020年秋冬シーズンは、東京オリンピックが終了した直後の時期で、スポーツに対する関心が高まっているタイミングだ。スポーツ市場に加え、一般アパレル分野でもスポーツテイストの需要が高まる可能性がある。アスレジャーと言う造語はすっかり定着した観がある上、スポーツ要素を企画に採り入れたアパレルブランドも増えてきた。合繊、機能性素材に対する抵抗感も、徐々になくなっていると予測できる。
東レは、強みにするアウトドア分野において、基幹素材の再強化を進める。発売から40周年を迎えた防水透湿素材「ENTRANT®」(エントラント)に再度、着目して拡販を目指している。ストレッチ素材の共通ブランド「Primeflex®」(プライムフレックス)では、商品ラインナップをアウトドア、アスレチック/ゴルフ、カジュアルの3つのカテゴリーに再編し、さらに拡販を進める。3つのうちカジュアルは、日常生活やビジネスシーンでの着用を想定している。
もちろん、新しい高機能素材の投入にも力を入れる。原糸に撥水機能を持たせた新素材「NanoSlit Nylon」(ナノスリット ナイロン)で、布帛の状態で撥水機能が向上する。環境保全の意識が高まる中、C6の撥水剤で、C8並みの撥水機能を発揮できるというセールスポイントがある。基本は布帛で、主にアウトドアなど戸外で使用することを想定した素材だが、水着(ニット素材)などの採用にも可能性がある。