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ミズノ ベースボール
「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」
主要の契約プロ選手が集結

update: 2015/12/07

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市場は過剰供給状態が続く

久保田憲史 ダイアモンドスポーツ事業部長

久保田憲史 ダイアモンドスポーツ事業部長

外資系ブランドの新規参入により、競合が激しくなっている国内ベースボール市場。少子化や、サッカーなど他競技とのプレーヤーの獲得競争も影響して、ベースボール市場そのものは縮小傾向にあるようだ。特にボリューム層に当たる「軟式プレーヤー(いわゆる草野球層)や中学生が減っている観がある」(久保田憲史 ダイアモンドスポーツ事業部長)という。

また、新しい用具を買う顧客数も減っている側面もあるようだ。グラブを中心にリペア(修理)需要が高まり、買い替えが鈍化している点も影響しているらしい。その半面、市場に流通している商品量は増加傾向にある。スポーツ大型店の出店も続いており、慢性的な供給過剰状態が続いている。

ミズノの2015年シーズンのベースボールビジネスの推移は、「1%台のマイナス」(久保田 事業部長)。プロ球団のレプリカ・グッズ類、漫画が原作のテレビアニメ「ダイヤのA(エース)」のグッズが好調だったが、主力の競技者向け商材が苦戦傾向にある。レプリカ・「ダイヤのA」関連を除くと、競技商材では5%程度の減収だという。トップゾーンの硬式関連は横ばいで、安定している。軟式の落ち込みが足を引っ張っている構図だ。

ベースボールビジネスの通期見通しはほぼ前年並みに

軟式のグラブは10%減、金属バットも同様に10%減だった。しかし、新たに投入した軟式用バット「ビヨンドマックスメガキング」が好調で、金属バットの落ち込みをカバーし、軟式バット全体では前年比を上回った。スパイクシューズも停滞気味のようだが、5,300円の主力ポイントスパイク「フランチャイズ」は減っていない。樹脂底の固定式金具モデルが減少している。購買単価が下がっている点も影響している。

アパレル関連では、プラクティス(練習着)が好調で前年比をクリアしている。チームユースのユニフォームは若干、下がり気味だ。球団レプリカウエアや「ダイヤのA」などの商材は20%増と好調である。まだ伸ばせる余地があると考えている。展開ラインもハイエンドの「ミズノプロ」や「グローバルエリート」に加え、新たに「ミズノベースボールコレクション」を展開し始めた。赤・黒・紺を基調にした野球を意識したデザインが特徴だ。

来年の2016年シーズンへ向けた先行出荷は前年並みの推移。市場在庫が多いため、「①40%近い市場のシェアをキープすること、②ブランド価値を落とさない売り方をしていくこと」(久保田 事業部長)の2つを強化ポイントに挙げる。適正な在庫量を適正な価格で販売していくことに力を入れる。シーズン初めの2-3月に出荷のピークが来ることもあり、2015年度の通期業績は前年並みから微増で着地する見通しだ。

重点的に強化するのは、高校・大学向けの商材。同社が強みにしている競技者層向けの分野だ。また、今年後半から販売を始めたバットスイング解析ソフト「スイングトレーサー」の拡販にも力を入れる。11月からはアンドロイドに加え、iOSのソフトも使用可能になったほか、ピッチャーの投げる球を打った時のスイングを計測できるようになった。