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『企業レポート』
デサント「マンシングウェア」ブランド再構築元年

update: 2011/08/29

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デサントのゴルフウエア「マンシングウェア」がブランドのイメージ刷新に取り組んでいる。男性は50歳、女性は40歳を新たな顧客の軸年齢に据え、若返りを図りつつある。11年シーズンからスタートした新しいブランドイメージの発信は、残念ながら震災の影響もあり前年比増という結果には結びつかなかった。しかし着実に変化の兆しを見てとることができる。

イメージ刷新を進める「マンシングウェア」

イメージ刷新を進める「マンシングウェア」

ライン再編、新しいイメージを発信

「マンシングウェア」のブランド再構築は、既存顧客に従来とは異なる新鮮なイメージを与え、新規顧客には新しいブランドだと認知してもらう目的がある。再構築だと言っても、若返りを目指すために従来のパターンまですべて変えてしまうわけではない。既存顧客の心をしっかりつかみながら、見た目やイメージを変えていくということである。

その象徴的な例が、11年春夏シーズンからツータックパンツを休止し、ワンタックとノータックのみに変えたこと。ツータックはゆったりと穿ける半面、脚が太く見えるシルエットで、安心感はあるがヤングマインドではなかった。そこで細身シルエットのワンタックとノータックだけにして、パンツ全体のイメージを一気に若返らせた。11年春夏のパンツの売れ行きは、ノータックが前年比140%、ワンタックが同160%で、ツータックからの移行はスムーズに進んだ。

年間定番にする「One Thing by Munsingwear」

年間定番にする「One Thing by Munsingwear」

12年春夏からはヤング層を対象にしていた「ペンギン バイ マンシングウェア」のカテゴリーを休止。カジュアル色の強い同カテゴリーを廃して「マンシングウェア」を、機能性を持ったゴルフウエアブランドとして位置付けようとする意志がうかがえる。その代わりにメンズでは「One Thing by Munsingwear」(ワンシングバイマンシングウェア)、レディスでは「REFINEY」(リフィニー)の新しいカテゴリーを作った。

メンズの「One Thing by Munsingwear」は今年6月にデビューしたばかり。「日本に拘る」というコンセプトの下、素材調達から生産まですべて日本国内で行った純国産の無地のポロシャツだ。改めて日本製、高品質を謳ったカテゴリーである。初シーズンは16色のポロシャツを発売した。12年春夏からは6色のビズポロが加わる。冬場は比率が下がるが、年間定番品として継続展開する計画だ。レディスの「REFINEY」は、ゴルフブームでゴルフを始め、新たにゴルファーとして定着したプレー志向の女性層へ向けた新ライン。「感度の高い洗練された次世代アスリート女性ゴルファーに向けたパフォーマンスライン」に位置付ける。こちらは一足先に今秋から展開が始まる。

また、同ブランドの価値を再発信する目的で、来年春から「Grand-Slam」(グランドスラム)と「Munsingwear TRIDENT」(マンシングウェア トライデント)というファッションチャネル向けのウエアを企画。「Grand-Slam」は1955年に初めてゴルフ専用シャツを発売した当時の名前から取った。「Munsingwear TRIDENT」は、1886年に米国のミネアポリスで立ち上げた頃の「マンシングウェア」を再現している。当時はアンダーウエアとして販売されていた。この新しい2つのラインは、9月13-15日に東京・原宿で開催される合同展「15 TH JUMBLE TOKYO」に出展予定だ。