TOP > 企業レポート > スポーツ上場7社 オリンピックイヤーに...

スポーツ上場7社
オリンピックイヤーに臨む②「日本市場に伸び代はあるか」
健康ニーズが顕在化

update: 2012/06/04

< 前のページへ1ページ2ページ3ページ

目標は不採算事業の一掃

従って国内売り上げは、ブランドの非効率な部分を改善するだけで充分、伸び代があったと言える。しかし、「ノース・フェイス頼み」だった状態から脱却し、各ブランドが独り立ちしつつある点は大きいなプラス要素だ。

昨年春から「アウトドア」ラインを新設し、商品企画を刷新した「ヘリーハンセン」も貢献したブランドの1つ。ヨットをルーツに持つ同ブランドに好調が続くアウトドアの要素を取り入れたことが成長の主な理由だ。セーリングという専門性が高くエンドユーザーに浸透しにくい面を持っていた。市場ニーズを見据え、ブランドの世界観を壊さないよううまくイメージ・チェンジを図った。

市況やトレンドの変化に影響され、「スピード」と「エレッセ」は少し伸び悩んでいる。こうしたブランドが成長に転じれば、さらに収益が改善されると思われる。

未知数なのは、昨年11月に完全子会社化したゴルフウエアブランド「ブラックアンドホワイト」を展開する「ブラックアンドホワイトスポーツウェア」。同社が本格的に手掛けた商品が登場するのは13年春夏からになるため、今期は大きな変化はないとみられる。ダウントレンドのゴルフウエア市場で、百貨店を中心とした比較的年齢層の高い顧客を持つ同ブランド。イメージの刷新はそれほど簡単ではなさそうだ。

いずれにしても、これらの例を見る限り、やり方によっては国内市場の伸び代はまだありそうだ(好調なメーカーのケースだけではないかという反対意見もあるかもしれないが)。

(次の「スポーツ上場7社オリンピックイヤーに臨む」は6月7日に掲載予定)