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スポーツ上場7社
オリンピックイヤーに臨む②「日本市場に伸び代はあるか」
健康ニーズが顕在化

update: 2012/06/04

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新中期計画も視野に

デサントは今期(2013年3月期)が中期経営計画「Compass2010」の最終年度に当たる。連結売上高880億円、経常利益50億円、純利益30億円、売上高総利益率5.7%、ROA(総資本経常利益率)7.5%、配当性向25-30%という数値目標を掲げる。純利益は前倒しで達成したが、売上高も経常利益も90%台まで達しており、通期の達成は射程圏内に入った。

新しい中計の中身は来年の決算発表時(2013年5月)に公表する計画だが、「今年末までにその中身を固めるつもり」(中西悦朗社長)だという。「アスレチック」「ゴルフ」「アウトドア」という3つの分野で成長を図ることが基本方針だが、新中計では中でも「アスレチック」における本格的なランニングシューズの開発が核になると思われる。デサントコリアの「デサント」ブランドが好調な背景にはシューズの存在があるそうで、現地のプサンにある開発拠点を活用したグローバルな展開を思い描く。

日本を含めたアジアという大きなくくりの中で、他ブランド展開を進めている。

ゴールドウイン、国内が伸びる

ゴールドウインは売り上げの90%以上が国内。主力のアウトドアスタイル事業が227億円(17.1%増)と好調だったこともあり、増収増益を達成した。アスレチックスタイル事業では、効率の悪かった「チャンピオン」ブランドの立て直しが進み167億円(20.7%増)と増収だった。ウエルネス関連の機能アンダーウエア「C3fit」「MXP」も好調に推移したという。

スイムブランド「スピード」は震災の影響などがあり競泳水着が苦戦したが、フィットネス関連は堅調だという。アウトドアとウエルネス関連が成長分野だった。持分法関連会社のゴールドウインコリアは引き続き好調で、ロイヤルティー収入は増えている。

国内の強みは小売店展開だろう。基幹ブランドの「ザ・ノース・フェイス」で培ったノウハウを他ブランドへ応用し、卸ビジネスをサポートする小売業態の確立・拡大を進めている。「チャンピオン」が大きく改善した一因はより店頭起点の自主管理売り場が拡大したこと。SPA(製造小売り)の手法を取り入れた店舗運営やブランド管理が功を奏しているとみられる。