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ゴールドウイン、中期ビジョン説明会──「ゴールドウイン」ブランドで売上高500億円を目指す

update: 2024/05/01

中期ビジョン説明会に臨む渡辺貴生社長

中期ビジョン説明会に臨む渡辺貴生社長

ゴールドウインが4月30日、中期ビジョン説明会を開催し、今後の取り組み分野について概要を公表した。10年後(2033年3月期)に自社ブランド「ゴールドウイン」で売上高500億円を目指す。また、国外市場の開拓にも本格的に力を入れる。China(中国)の現地企業とジョイントベンチャー(合弁企業)を設立し、同社を通じて市場開拓を推し進める。

Chinaで合弁企業を設立、市場開拓に本腰

現在、同社の基幹ブランドは「TNF」だが、「ゴールドウイン」ブランドを第2の柱として確立するべく、その強化に本腰を入れる。具体的な数値目標は、10年後(2033年3月期)に売上高500億円を目指す。「TNF」も「ゴールドウイン」も共に高機能性を強みにするパフォーマンス分野のブランド。より機能性を重視する「TNF」に対し、「ゴールドウイン」はライフスタイル、ファッション分野の開拓に力を入れることで、住み分けを図る。

国外市場の開拓も視野に入れ、従来、使用していたコーポレートロゴを5月7日から刷新。2017年より使用していた「ゴールドウイン」ブランドのロゴに合わせる形で、発信するブランド観を統一する。

渡辺貴生 代表取締役執行役員は、「ゴールドウイン」ブランドを「クオリティー(品質)が高く、普遍的なデザインでファッション性も高い『プレミアム スポーツブランド』に位置付ける」。こうした要素を求める高感度な顧客層へ向けて、国内外で共通したブランドの世界観で市場開拓を進める計画だ。製品のイノベーション(革新・刷新)にさらに磨きをかける目的で、「ゴールドウイン」ブランドへ「最高の技術や要素を盛り込みたい」と考えている。

China(中国)市場の開拓については、現地企業の蘇州愿景零售有限公司(SGAR社)とジョイントベンチャー、高得運(蘇州)商貿有限公司を設立。同国内における「ゴールドウイン」ブランドの拡販を推し進める。出資比率はゴールドウインが65%、SGAR社が35%。「株式のマジョリティーを得て、ブランド観を保持することを重視した」(渡辺社長)。

「ゴールドウイン」ブランドの国外展開は、優先順位を付けて段階的に進める計画だ。最初に取り組むのは日本、China、韓国。ファッション感度の高い同ブランドのコンセプトが受け入れられやすいエリアに定めた。2番目が欧州。スキーウエアを通じたブランドの認知度はあるものの、リテールの収益化が未確立と見ている。3番目は北米や東南アジアで、イベントやECなどで慎重に投資する計画だ。