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スポーツ上場7社
オリンピックイヤーに臨む③「ファッション、健康との融合進む」

update: 2012/06/07

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スポーツテイストは市民権を得て、ファッションシーンでも定番になっている。特に今年は夏に開催されるロンドンオリンピックを意識したデザインやモチーフを一般のカジュアルブランドでも見かけることが多い。また、メンズカジュアルブランドではオリンピックの年にマリンテイストが巡ってくると聞いたこともある。スポーツと日常ファッションとの融合がさらに進んでいる観がある。主力のアスレチック(競技系)分野だけで売り上げを維持し拡大していくことは難しくなった。少子化の影響も少しずつ表れてきている。国内はアスレ+健康・ライフスタイル(いわゆるタウンユース=カジュアル)需要を取り込み、海外はアスレを主体に拡販するという拡販方針のメーカーが増えている。

ヨネックスは国内増収、海外苦戦

ヨネックスの2012年3月期のセグメント別売り上げで、唯一増収増益を達成したのは「日本」市場だった。決算短信では、「用品販売は総じて厳しい状態」と分析しているが、「復興需要を背景に緩やかな回復基調」となった。したがって厳しい中でも連結で増収増益に貢献したのは国内市場である。主力のバドミントンは堅調、テニスでも一部の新製品で売れ筋ができた。ゴルフは市場全体と同じで苦戦したが、ウオーキングシューズやウエア類は健闘したという。

特にウオーキングシューズは専門店において、定番ブランドになっている。主要顧客が年配層、シルバー層のため、健康ニーズを取り込んでいる。

海外は北米、欧州が減収減益。アジアは中国のゴルフ販売会社が通期で稼働したため増収だったが、広告費などが増え減益だった。

ゼット、卸ビジネスで回復傾向

ゼットは売り上げの70%以上が卸ビジネスである。そのうちの74%を占める「アスレチック」が2.2%増と堅調だった。スポーツシューズ、バスケットボール用品、競技ウエアが堅調だったという。ファッション要素を伴った商材が主体の「ライフスタイル」も好調だった。健康志向に対応する「ボディケア」は反対に競合過多により苦戦した。それだけ参入企業が増えているという証拠だともいえる。

中間流通、卸ビジネスは以前と異なり、ここ数年で特定の分野や特定の企業と取引する形態が増えた。代わりにメーカーと大型スポーツ量販店との直取引や直営店展開が増えている。