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スポーツ上場7社
オリンピックイヤーに臨む③「ファッション、健康との融合進む」

update: 2012/06/07

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非スポーツ、新規分野の開拓に光明

スポーツメーカー各社の原動力は間違いなく競技系だが、そこから派生した分野の売り上げが増えていることも事実だ。「オリンピックイヤーに臨む②『日本市場に伸び代はあるか』」で述べた健康市場がその最たる例。フィットネス感覚を伴ったランニングやヨガ、ダンス、レジャー感覚を伴ったアウトドアやウオーキングなどその切り口は様々で、年齢層の幅も広い。

ミズノの2012年3月期の国内売り上げで「その他」が118億円と、「ゴルフ」の125億円に迫ってきた。内訳は健康関連品とそれに伴うソフト関連らしい。家庭でエクササイズができる座椅子型の機器「じつは!腹筋くん」シリーズは通販でヒット商品になった。同商品は当初、スポーツチャネルで販売していたがほとんど売れなかったという。一般ユーザー向けの通販で扱うようになって急速に売り上げを伸ばした。従来のスポーツチャネルではなく、新しい販路を開拓した一例だ。

ファッション切り口にしろ、健康切り口にしろ、スポーツメーカーが培ってきた機能性は少し仕様を替えればヒット商品になる可能性がある。前出の「じつは!腹筋くん」も一般ユーザーへ販売する際、仕様をマイナーチェンジしたそうだ。

海外市場を引き続き開拓していくことは効率良く収益を獲得するためには必要な措置だろう。しかし国内市場にもまだまだ、スポーツメーカーが開拓できる隠れた需要が存在している。

(終)