アシックス トレーニングウエアの新提案
「A77」をスタート、シューズ「ASICS33」と連動図る
update: 2012/02/06
「AYAMi」は美と健康がテーマ
「A77」と別カテゴリーで、レディスに特化したアパレルが「AYAMi」(アヤミ)だ。美と健康をテーマに着用シーンを日常にまで広げている。リアルターゲットは30代女性。スポーツに加え日常生活を包含するライフスタイル感を重視した。
従来、同社が弱い分野であるレディスアパレル。東京マラソンを契機にランニングアパレルを企画し始め、11年春夏辺りからランニングやフィットネスなど特定のシーンを横軸でつないだ1つのカテゴリーとして集約し始めた。2010年春夏シーズンに欧州でデビューした「AYAMi」。今後はグローバルで共通した商品群に位置付ける。
新規ユーザー層を意識
一方、「ASICS33」は「ナチュラルランニング」をコンセプトにしたランニングシューズの新シリーズ。アシックスアメリカで企画され、アシックススポーツ工学研究所の技術を盛り込んだ。ポップなデザインと柔らかい履き心地が特長。人間の足首から足先までに33カ所の関節があることにちなみ、「ASICS33」と命名された。
「グローバル商品政策のど真ん中に置いている商材」(渡辺博司執行役員プロダクトマーケティング統括部長兼アスレチック・スポーツスタイルプロダクトマーケティング部長兼デザインセンター長)で、主に新規の顧客層へ向けて発信する。既存モデルよりもデザイン性を重視しており、気軽にランニングを楽しむユーザーを意識している。
日本での価格は8000-1万2000円。既存モデルよりも買いやすい値段に設定した。この辺りもアパレルの「A77」と共通した点で、新規ユーザーが手に取りやすくしている。
初シーズンの12年春夏では展開店舗を限定する。面でしっかり見せられる売り場を優先する。今回はオレンジと黒のモデルはアパレルの「A77」と連動した品番だ。女性モデルでは、フィットネスウエアとの連動を考えている。最低限、必要な機能性を装備している。
想定する売り場は競技色の強くない店舗。新規でコーナーを作るケースも想定する。今月からテレビコマーシャルも放映。販路も新たに開拓される可能性がある。
「ASICS33」と「A77」は、従来の主力で強みだった競技志向層向けのシューズとアパレルの下――機能面、価格面で――に位置する新しい商材だ。ハイエンドの「アシックス」ブランドのイメージを維持したままで、市場のパイを増やしていく試みである。