TOP > マーケット分析 > 『マーケット分析』 「ゴルフウエア市場...

『マーケット分析』
「ゴルフウエア市場 vol.4」 シーンの“次”を模索する

update: 2011/04/25

1ページ2ページ3ページ次のページへ >
「ヒールクリーク リビング」

「ヒールクリーク リビング」

「ヒールクリーク リビング」

ゴルフウエアは百貨店の商材の中でも珍しい存在だ。一般的に所属部署は紳士服担当で、たいてい紳士服売り場の延長線上や、スポーツ売り場の一角にある。ゴルフウエアに限っては紳士服担当者がレディスウエアをも見ることになる。

「ゴルフウエアは総合アパレルブランド。メンズ、レディス、プレー、行き帰り、タウン、雑貨類、あらゆる要素が必要とされる」

以前、あるゴルフウエアブランドの企画担当者に聞いた言葉だ。しかも10坪程度の決して大きくはないスペースでブランド観を表現しなくてはならない。したがってゴルフウエアの企画は一般カジュアルよりもハードルが高いというのだ。企画担当者はあらゆる要素に対応する必要があるため、その実力が試されるということらしい。このプレーに限定していない着用シーンの広がりという点が、ゴルフウエアの可能性を膨らませてきた。

「ヒールクリーク」の新提案

今年10月、「ヒールクリーク」(グリップインターナショナル)が新ライン「ヒールクリーク リビング」を立ち上げる。プレデビューで、本格展開は12年春から。リビングウエアやリラクシングウエア、ナイトウエアを企画した。コットン60%、テンセル40%という肌触りや快適性を追求した生地で、製品洗いをかけてよりソフトに仕上げた品番もある。上代価格はトップスが9000円、ボトムスが1万1000円。デビューは、主力販路の1つ、百貨店が内定している。プレーから派生し、ライフスタイルまで提案の幅を広げた試みと言える。型数は5、6点とまだ面の展開には至っていない。

既存のショップ内でリラクシングのシーンを見せられれば、ブランドの新しい一面を表現することができる。ゴルフウエアでリゾートシーンを提案するケースは数多いが、リラクシングウエアは珍しい。