『マーケット分析』
「ゴルフウエア市場 vol.1」 スタイリングの“次”を模索する
update: 2011/04/04
阪急イングスのゴルフウエアイベント
女性の新規参入で注目されたゴルフウエア市場は現在、やや息切れしている。もちろん3月11日に発生した地震の影響もあるが、それ以前から足踏み状態にあった。過去数年は急速に元気を取り戻していたが、08年のリーマンショックで消費に急ブレーキが掛かった。加えて重ね着(レイヤード)スタイルが定番になり、同質化を避けるため新しい着こなしを提案する必要が出てきた。次の飛躍に向けた踊り場とも言える状況だ。
ゴルフウエア市場のおよそ60-70割は男性客。ある程度ラウンド経験を積んだプレー志向の顧客が主体だ。そのため、メンズウエアは機能性が最も重視される。デザインやファッション性も不可欠だが、レディスモデルほどではない。女性客のゴルフ熱が冷めてきた昨今、市場を支えるメンズ客を再強化する動きも見られる。
ファッションを切り口にしたゴルフウエアブームにより、リピーターになる女性客も着実に増えた。現在の横ばい傾向は市場が安定期に入ったとも考えられるため、決して悪い事ばかりではない。今までは女性ゴルファーを意識した新興ブランドが「雨後のタケノコ」状態で増え続けてきた。一部、こうしたブランドの間で淘汰が始まっている。ゴルファーの心をつかんだブランドが残り、“にわか”ブランドは退場する。そろそろブームが一段落し始めたのかも知れない。