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デサント
常務取締役ゴルフ管掌 兼リテール・支店管掌 兼東京オフィス長、三井久氏
「日本とアジアの市場を一緒に考える」

update: 2014/12/26

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デサント、 三井久常務取締役ゴルフ管掌

デサント、
三井久常務取締役ゴルフ管掌

デサントの主力ビジネスの1つ、ゴルフウエアは円安の影響もあり、デサントコリアを中心に堅調な推移だ。消費増税による影響が長引いて国内は苦戦傾向にあるというが、インバウンド需要もあり、百貨店流通を中心に復調の兆しが見られる。一方、国内では直営店ビジネスを強化する方針で、来年は出店が本格化する。ゴルフビジネスやリテール事業を管掌する三井久常務取締役に現状の分析と2015年の取り組みを聞いた。

インバウンド需要が大きく貢献

2015年3月期の第2四半期のゴルフビジネスは、海外で9億円増収したが、国内では4億円減と苦戦した。引き続き成長基調にあるアジア市場が円安の追い風を受けたこと、4月の消費増税により消費マインドが回復していないことが影響したと分析する。

「14年春夏シーズンの国内ゴルフビジネスは、百貨店では消費増税の駆け込み需要が見られたものの、プロパー商戦にはほとんど影響はありませんでした。しかしセールでは苦戦しました。スポーツチェーン店や専門店は4-5%の減収でした。14年秋冬も都市部店舗を中心に百貨店が堅調です。ブランド別では(百貨店主体の)『マンシングウェア』『ランバン スポール』がプラス。(チェーン・専門店主体の)『ルコックゴルフ』が90%の推移です」

国内ゴルフビジネスでは、アジアを中心としたインバウンド需要の貢献も少なくなかったという。都市部の店舗に限定されるが、その影響は決して小さくないと見ている。

「国内の市況は10月くらいまで、消費増税の影響から抜け切れなかったと感じます。今も消費マインドは下がったままではないでしょうか。その一方で、市場は過剰供給の面も否めないと思います。しかし都市部百貨店を中心にインバウンド需要はプラスになりました。特に(アジア地域でも展開する)『マンシングウェア』は5-10%増と好調です。東京のある百貨店では、インバウンド需要が35%を占めているそうです。今後ますます、インバウンド需要(の取り込み)が大事になってくると感じています」

「インバウンド需要を取り込もうとした時、日本とアジアの市場を一緒に考えていかなくてはならないでしょう。日本企画だけではいけません。『マンシングウェア』や『ルコックゴルフ』はアジア地域で販売することにより、そのブランドを認知してもらえる。来日した観光客にも買ってもらえる可能性が高まります。日本市場への相乗効果も高まることになる。その象徴が東京・原宿の直営店でしょう。来店客の40%がインバウンドです」