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『注目パーソン・インタビュー』
ミズノ 「山本睦朗常務」

update: 2011/07/11

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チャネルの共有化を進める

「2つ目の取り組み課題はチャネルの共有化。各部署では自分たちの持つ商品を自分たちが持つチャネル(販路)へ売ろうとする傾向があった。かつての『スーパースター』と『ミズノ』のジャージーやアパレルのように同じような商品を企画しようとするケースがあった。これからは1つの統一した商材を売っていく、できるだけSKU(在庫保管単位)を減らして1つ1つの商品の効率を上げるということが当然必要です。そうやって利益率の高いものにしなくてはいけない」

「また、それぞれが得意としているチャネルで重複しているところへ、それぞれが売りに行っているという非効率があった。基本的にこの事業部では、1つのチャネルに1人を充てて効率化する方針で、生産性を上げる。例を挙げると、旧ウエルネス事業の場合は、年配層の強いウオーキングシューズを売る場合、スポーツ専門店で売ることがなかなか難しかった。ターゲットのお年寄りは一般の靴店に行かれるので、こういったチャネルの開拓を進めてきた。一方でこういった靴店では安価なランニングシューズや子供向けランニングシューズなどもたくさん販売している。ところが旧ウエルネス事業部では、一般の靴店にランニングシューズを売るということに関心がなかった。これからは同じ事業部になったので、ウオーキングシューズを売る時にランニングシューズも一緒に売りに行くことになる。それぞれが持つ専門的なチャネルの1店舗当たりの取引単価を増やすことができる。結果的に営業スタッフ1人1人の効率も高まる。またそうならなければ組織が一緒になった意味がありません」

「前述の靴店のほか、旧アパレル営業部が担当していた紳士服系小売店がある。その後ゴルフウエア部隊が担当になっていたが、こういった小売店では最近はスーツが売れにくくなっている。そういった小売店がウオーキングシューズの販売や健康・ウエルネスショップの衣替えを検討するなどという動きが出ている。そういうチャネルへも今までにない商品を提案することができる。こういった新しい商材のウエートもかなりの勢いで増えている。こういったところでは組織改編の効果が表れてきている。今までの営業では、各担当者・各商材で完結せざるを得ない体制だった。しかし、自分たちの扱える商品の幅が広がり、チャネルの世界も広がった。こういった広がったチャンスを生かせば、それぞれの商品の1SKU当たりの売り上げも増えるし、1店舗当たりの売り上げを増やすことができます」

「反面、欠点として、売り込みの際に種目に偏りが出てくることが考えられます。専門性が欠如してしまう。自分の不得手なものは積極的に売れなくなるなど、こういったことは当然起こっていると思います。少し時間はかかると思いますが、ある程度目標を管理しながら、新しい商品の販売目標を持つ必要があるでしょう。それに応じて必要な知識を研修で得ることも必要です。各種目の強化点と営業の動きは当然、連動してくるでしょう」