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『注目パーソン・インタビュー1』
—「オニツカタイガー」、ブランドの“変身”元年

update: 2011/02/14

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株式会社 OTプランニング 代表取締役社長 江里口健太郎氏

株式会社 OTプランニング
代表取締役社長 江里口健太郎氏

2009年6月に、アシックスとユナイテッドアローズ(UA)との合弁で設立したOTプランニング(東京都、江里口健太郎社長)。デザイナー、岩谷俊和氏をデザインディレクターに迎え、アパレルを中心に「オニツカタイガー」の再強化を進めてきた。10年秋冬シーズンから、岩谷氏が参画したアパレルの販売がスタートし、ブランド展開は新たな段階に入った。転換期を迎える「オニツカタイガー」を、同社の江里口社長はどう見ているのか。

お客さんをびっくりさせる

ランニングなど競技系に強いアシックスの中で、少し趣の異なる存在が「オニツカタイガー」。靴を主体にスポーツカジュアルブランドとして、20-30代の若い世代から支持を集める。競技者層ではない、ファッション愛好者のファンが中心だ。2009年度の売上高は連結で120億円。新中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)2015」では、最終年度の2016年3月期に全世界で売上高280億円を達成するという計画を立てている。2010年度は連結でほぼ前年並みの見通し。国内は減収予想で、前年(09年度)に「モンテポカラ」というメガヒット品番ができて、今期はその反動が大きかったためだ。もうひとつの要因はアパレル。ブランドイメージ維持のためにセールを我慢したが、周辺店舗ではマークダウンのスタートが早くなり、その影響もあって売り上げが伸び悩んだ。しかしその分、利益面では改善が見られた。

アパレルの強化は最優先課題。シューズの売り上げを落とさず、現在30%のアパレル比率を高め、近い将来には五分五分にする計画を立てている。その意味でも、10年秋から新たに市場投入した岩谷俊和氏デザインのアパレルに対するファンの反応が気になるところだ。顧客の年齢層は20代後半が最も多く、以下20代前半、30代前半と続く。この世代だけで顧客の70%を占める。

「元々『オニツカタイガー』はシューズブランドで、しかもメンズが強い。逆に言うとアパレルのレディスが一番の弱点だった。10年秋冬シーズンの目玉は、その弱点であるレディスアパレルです。スポーツメーカーの作るレディスウエアはどうしてもメンズの縮小版になりがちですが、岩谷さんはギャザーやパフスリーブなどを使って女性らしさを表現した。女性客にはものすごくはまりました」

女性客からは支持を得られた。しかし、男性客の反応はどうだったのだろう。