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ゴールドウイン、代表取締役社長 西田明男 氏
「日本のスポーツ文化が1つ階段を上るタイミングにある」

update: 2016/07/25

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「コトからモノ」の体現が新しい価値観を生む

この新業態はすぐに結果は出ないが、新しいスポーツの価値観をエンドユーザーに提案することに意味がある。新しい市場ニーズの開拓である。モノよりコトが大事と指摘されて久しいスポーツ業界だが、「ニュートラルワークス」もコトの提案が基になっている。

「かつてのアウトドア市場も同じで、野フェスなどが出てきて若い世代にその魅力が広がっていった。女性目線の山ガールなど新しい価値観が生み出されていきました。当社の例で言うと、トレイルランニングは10年近く前から取り組んでいますが、当時はほとんど見向きもされなかった。しかし今では、(大会数や参入メーカーなど)市場がかなり増えています。こうした新しい流れが新しい商品を導き出している。『ザ・ノース・フェイス』で提案している“ファーストパック”などは、軽くて機能的なものが求められていますが、これはトレランから派生したものです。従来、ヘビーデューティーで重くて強い商材が当たり前だったアウトドアシーンが変化してきているのです」

比較的長いタームで、じっくりとブランドや業態を育てる傾向の強い同社。外資系スポーツブランドを中心に、収益性が高まらなければ短期で撤退を判断するケースが多いが、そうした一般的になりつつある経営手法とは趣が異なる。