TOP > 財務分析レポート > 主要上場スポーツ企業5社、第2四半期を...

主要上場スポーツ企業5社、第2四半期を展望する(下)

update: 2021/10/22

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期 第2四半期 セグメント別売上高(表1)

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期
第2四半期 セグメント別売上高(表1)

国内の主要上場スポーツ企業の第2四半期決算を展望する。前年度はコロナ禍の影響により、ゴールドウインを除く4社が損失を計上した。ミズノ及びヨネックスは経常段階で利益を確保した。デサント及びゼットは営業・経常共に損失計上だった。

各社はECなど無店舗販売を強化

前年度の経験を踏まえ、各社はECなど無店舗販売の強化を続けている。エンドユーザーの意識も徐々に変わり、幅広い世代でIoTを活用したサービスが受け入れられるようになってきたが、リアル店舗の売り上げがまだまだメーンである。

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表2)

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期
第2四半期 財務数値一覧(表2)

今年に入っても断続的に自粛要請が出され、営業時間を限定された実店舗は慢性的な苦戦傾向にあった。ショップインショップ形態ではそのマイナスの影響が大きい。来館数が減少しているため、企業努力だけでは売り上げを確保する事が難しい状況が続いた。

日常生活を意識したライフスタイル系の新しい商材――タウンユースのウエアやシューズ、マスクなどが収益に貢献した面もあるが、やはり規模の大きい競技系の本格的な回復が不可欠である。

得意にする種目や収益性の高い地域が異なるため、各社に共通した業績回復のカギを探すのは難しい。その1つがECだということは間違いないが、前述の通り主力分野に取って代わるまでの規模はない。来期も見据えた、新しい修正機構造の模索が続く気配だ。(終り)