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主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期 第3四半期まとめ
減収基調が続く中、3社が利益を確保

update: 2021/02/22

上場スポーツメーカー5社、2021年3月期 第3四半期 数値一覧(表1)

上場スポーツメーカー5社、2021年3月期
第3四半期 数値一覧(表1)

主要上場スポーツ企業5社(美津濃、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット)の2021年3月期第3四半期の決算が出揃った。コロナ禍のマイナス要因が色濃く残る中、5社中3社(美津濃、ゴールドウイン、ヨネックス)が利益を確保した。一部には回復の兆しが見られ、業績見通しを上方した企業もある。

コロナ禍の影響残るも一部で回復基調

対象にした企業は美津濃(以下、ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月期決算で、比較対象は4-12月間の第3四半期決算である。

第1四半期(4-6月)を中心にコロナ禍で減収した影響が残っており、全社共に減収となった。第2四半期(7-9月)以降は回復基調に乗り、上半期で利益を確保した企業もあった。種目により回復のスピードは異なるが、一部企業で上方修正するなど、底打ち感が徐々に見られるようになってきた。

ミズノはマウスカバー(マスク)やワーキングビジネスが健闘した。営業利益は14億4,800万円(67.0%減)。各地域、各部門で苦戦する中、「米州」は137億円(9.9%減)とやや下げ幅が少なかった。

デサントは収益の柱の1つ、デサントコリアの落ち込み(31.3%減)が大きかった。ブランド別では、主力の「デサント」が売上高285億円(27.5%減)。Anta社との合弁による中国市場での展開は120億円(48.1%増)と好調だった。

ゴールドウインは減収減益だったが、回復のスピードが速い。第1四半期は他社同様に苦戦したが、それ以降は順調に推移し、第3四半期では主力の「アウトドア関連事業」が前年並みを確保した。第2、第3四半期の伸びが大きく、前年同期比を上回った形だ。第3四半期終了時点で、デサントの売上規模を超えた。通期ではデサントが上回る見通しだ。利益率も5社中のトップ。営業利益率は19.6%、四半期利益も10%を超えている。通期の業績予測も上方修正した。

ヨネックスは減収減益だったが、利益を確保した。広告宣伝費の削減などにより収益が改善。当初は損失計上だった通期業績は、黒字転換する見通しだ。