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アシックス、2020年12月期
減収、損失計上も当初の予測から上振れ

update: 2021/02/15

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アシックスの2020年12月期は減収、 損失計上も当初予測を上回った (画像は決算資料から抜粋)

アシックスの2020年12月期は減収、
損失計上も当初予測を上回った
(画像は決算資料から抜粋)

アシックスの2020年12月期連結決算は、減収、損失を計上するも、当初の予測から業績数値は上振れした。コロナ禍の影響で厳しい1年となったが、カテゴリーでは主力の「パフォーマンスランニング」、地域では「中華圏」と「オセアニア」が健闘した。

主力の「パフォーマンスランニング」が健闘

アシックス、2020年12月期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2020年12月期 財務数値一覧(表1)

連結売上高は3,287億8,400万円(13.0%減)と2ケタの減収。売上総利益率(粗利率)が46.5%(1.0ポイント減)と減少し、販管費率が47.7%(3.0ポイント増)と増えたこともあり、営業損失39億5,300万円(前期は営業利益106億3,400万円)を計上するに至った。

しかし販管費のコントロール強化も奏功し、営業損益は上振れした。経常段階では、69億2,300万円の損失(前期は経常利益101億100万円)、当期純損失は161億2,600万円(前期は当期純利益70億9,700万円)となった(表1を参照)。

アシックス、2020年12月期 部門別売上高(表2)

アシックス、2020年12月期 部門別売上高(表2)


月別の売上推移を見ると、コロナ禍がピークだった3-5月の落ち込みが大きかった。7月以降は順調に回復したが、第4四半期(10-12月)に入り再び下降線を辿った。カテゴリー別では、主力の「パフォーマンスランニング」が健闘し、増益を達成した。個人で楽しめるランニングなどのスポーツが盛んになった背景も後押ししたようだ。

地域別では「中華圏」(4.2%増)と「オセアニア」(8.0%増)が健闘した(表2を参照)。「日本」(22.0%減)や「東南・南アジア」(24.3%減)、「北米」(17.2%減)の落ち込みが大きかった。