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NIKE,Inc. 2021年5月期 第1四半期
オンラインビジネスが健闘、微減収増益に

update: 2020/09/25

Nike,Inc. 2021年5月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

Nike,Inc. 2021年5月期 第1四半期
財務数値一覧(表1)

NIKE,Inc. (ナイキ社)の2021年5月期第1四半期(6-8月)の連結決算は、オンラインビジネスが健闘したこともあり、微減収増益となった。コロナ禍の影響から一歩、抜け出した観がある。「アジア・太平洋・ラテンアメリカ」を除く他地域の売り上げは堅調な推移だった。

デジタル事業が好調に推移

連結の売上収益は、105億9,400万米ドル(約1兆1,123億7,000万円、1米ドル=105円で換算)、0.6%減と微減収だった。売上総利益率(粗利率)は44.8%(0.9ポイント減)とやや減少した。コロナ禍で在庫整理を余儀なくされた影響が表われた。販管費率は28.1%(3.1ポイント減)と減少した。

その結果、営業利益が17億6,600万米ドル(約1,854億3,000万円、同)、14.5%増と2ケタの増益を達成した。税引前利益は17億1,500万米ドル(約1,800億7,500万円、同)、9.9%増。四半期利益は15億1,800万米ドル(約1,593億9,000万円、同)、11.0%増で、増益となった(表1を参照)。

主力の「NIKE」(ナイキ)ブランドにおいて、“デジタル”(オンラインビジネス)の成長率が82%増と好調に推移した。Wholesale(卸事業)及びリアルの直営店の収益減をカバーした。なお、ナイキのリアル店舗の90%が営業を再開している。

Nike,Inc. 2021年5月期 第1四半期 地域別・商品別売上高(表2)

Nike,Inc. 2021年5月期 第1四半期
地域別・商品別売上高(表2)

地域別の売上高は、主力の「North America」(北米)が42億2,500万米ドル(約4,436億2,500万円、同)、1.6%減とほぼ前年並みだった。セグメント利益(EBIT)は13億200万米ドル(約1,367億1,000万円、同)、18.4%増で増益を達成した。「Europe,Middle East & Africa」(欧州・中東・アフリカ)は29億1,000万米ドル(約3,055億5,000万円、同)、4.9%増。EBITは6億9,200万米ドル(約726億6,000万円、同)、13.6%増で増収増益となった。

「Greater China」(中華圏)の売上高は17億8,000万米ドル(約1,869億円、同)、6.0%増。EBITは6億8,800万米ドル(約722億4,000万円、同)、2.8%増。日本を含む「Asia Pacific & Latin America」(アジア・太平洋・ラテンアメリカ)は同10億9,900万米ドル(約1,153億9,500万円、同)、18.3%減と2ケタの減収。EBITも2億8,000万米ドル(約294億円、同)、17.9%減と減収となった。