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主要上場スポーツ企業5社、2020年12月期 “第2四半期” まとめ
コロナ禍が大きく影響し、軒並み損失を計上

update: 2020/09/11

主要上場スポーツ企業5社、2020年12月期 第2四半期まとめ 財務数値一覧(表1)

主要上場スポーツ企業5社、2020年12月期
第2四半期まとめ 財務数値一覧(表1)

主要上場スポーツ企業5社(アディダス、プーマ、アンダーアーマー、アシックス、キャロウェイゴルフカンパニー、順不同)の2020年12月期“第2四半期”(1-6月)の連結決算をまとめた。コロナ禍が大きく影響し、軒並み減収、損失を計上するに至った。

下期に入り、回復の兆しも

対象にしたのはアディダス、プーマ、アンダーアーマー、アシックス、キャロウェイゴルフカンパニーの5社。いずれも決算期は12月で、6月末に第2四半期を終えた企業だ。販管費をある程度コントロールできた企業も見られたが、コロナ禍でリアル店舗の休業を余儀なくされた影響が大きく、5社共に大幅な減収、営業損失を計上する結果となった。

主要上場スポーツ企業5社、2020年12月期 第2四半期まとめ 地域別・セグメント別売上高(表2)

主要上場スポーツ企業5社、2020年12月期
第2四半期まとめ 地域別・セグメント別売上高(表2)

アディダスは主力の「アディダス」ブランドが26.9%減と苦戦した。地域では主力の「欧州」が23.6%減と落ち込んだ。コロナ禍の発生源、「中国」を含む「アジア・太平洋地域」は31.3%減と落ち込みの幅が大きくなった。しかし、EBITDA(利払前税引前減価償却前利益)は黒字だった。下期は徐々に回復していくと予測している。

プーマは「米州」の落ち込みが22.6%減と大きかった。主力の「欧州・中東・アフリカ」(EMEA)は13.1%の減収。「日本」を含む「アジア・太平洋」は12.9%減だった。商品別では「Apparel」(アパレル)が19.4%減と苦戦した。

アンダーアーマーも既出の2社と同じ傾向だった。損益面では、「Restructuring and impairment charges」(事業の再構築および減損費用)4億7,500万米ドル(約508億2,500万円)を計上した影響も大きかった。「Connected Fitness」事業は、“サブスクリプション”の増加もあり、増収増益と健闘した。

アシックスは減収、損失を計上するに至ったが、強みの「パフォーマンス ランニング」が回復基調にある。地域別では「オセアニア」が1.4%増と堅調だった。通期の業績見通しは連結売上高3,000億円、営業損失140億円、経常損失170億円、当期純損失220億円。下期に売り上げは回復すると見ているが、粗利率の減少や経費増が発生すると予測し、損失計上になると予測する。

キャロウェイゴルフカンパニーは減収、損失計上。各地域で2ケタの減収となった。「日本」も20.9%減と苦戦した。商品別では、「Apparel」(アパレル)が33.0%減と最も下げ幅が大きかった。