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国内主要スポーツ上場企業5社、2021年3月期 第1四半期まとめ
軒並み減収、損失計上に

update: 2020/08/21

主要スポーツ上場5社、2021年3月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

主要スポーツ上場5社、2021年3月期
第1四半期 財務数値一覧(表1)

国内の主要スポーツ上場企業5社の2021年3月期 第1四半期(4-6月)連結決算は、コロナ禍が大きく影響して軒並み減収、損失を計上するに至った。売上高は30-40%の減収。5社のうち2社が通期の業績見通しの開示を見送っている。

売上、粗利減がマイナス要因

対象としたのは美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月期決算である。第1四半期は4-6月の3カ月間で、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響が最も大きかった時期に該当する。

主要スポーツ上場5社、2021年3月期 第1四半期 セグメント別売上高(表2)

主要スポーツ上場5社、2021年3月期
第1四半期 セグメント別売上高(表2)

そのため各社は軒並み、30-40%程度の大幅な減収となった。販管費の額そのものは削減傾向にあったが、売上および粗利の減少が響き、営業損失を計上するに至った。リアル店舗の営業が再開されていった6月以降は、徐々に売り上げも回復してきている。

ミズノは地域では日本、商品別ではフットウエアおよびアパレルの落ち込みが大きかった。ワークビジネスやライフスタイルを除く、主力であるスポーツカテゴリーの苦戦が影響した。部活動や競技大会の自粛、中止も収益の足を引っ張った。

デサントは収益の主力である日本および韓国のビジネスが苦戦した。両地域共に、前年同期比の約半分に売り上げが落ち込んだ。ブランド別でも軒並み大幅な減収。Anta社との合弁事業を展開する「中国」(台湾除く)の「デサント」ブランドは売上高27億円(12.5%増)と健闘した。

ゴールドウインも軒並み2ケタの減収となったが、卸ビジネスやECが健闘したこともあり減少幅をある程度、緩和できたようだ。直営店の営業再開後は売り上げが順調に回復しており、通期の業績見通しを上方修正している。主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」の底力をうかがわせる推移である。

ヨネックスは、日本における主力のバドミントンが前年同期比74.6%減と大きく減収した。部活動や競技大会の中止の影響も大きかった。規模はまだ小さいが、北米ビジネスが15.2%増と健闘した。欧州市場も堅調だった。