NIKE,Inc. 2020年5月期 連結決算
コロナ禍が影響、減収減益に
update: 2020/07/03
NIKE,Inc.の2020年5月期は減収減益に
NIKE,Inc.（ナイキ社）の2020年5月期連結決算は、コロナ禍が影響し減収減益に至った。第4四半期（3－5月）の落ち込みが大きく、収益が伸び悩んだ。「Greater China」（中華圏）の回復が早く、増収増益を達成した。「DTC」（Direct To Consumer）は増収したが、「Wholesale」（卸）が売上減となった。
第4四半期が大きく落ち込む
NIKE,Inc. 2020年5月期
財務数値一覧（表1）
連結の売上収益は、374億300万米ドル（約4兆21億2,100万円、1米ドル＝107円で換算）、4.4％減。売上総利益率（粗利率）が43.4％（1.3ポイント減）と減少した。販管費率は35.1％（2.6ポイント増）。その結果、営業利益が31億1,500万米ドル（約3,333億500万円、同）、34.7％減と2ケタの減益となった。税引前利益も28億8,700万米ドル（約3,089億900万円、同）、39.9％減の減益に至った（表1を参照）。
第4四半期（3－5月）の売上収益は63億1,300万米ドル（約6,754億9,100万円、同）、38.0％減と苦戦した。利益面は、税引前損失8億400万米ドル（約860億2,800万円、同）の赤字となった（前期は12億4,300万米ドルの黒字）。
NIKE,Inc. 2020年5月期
地域別・ブランド別売上高（表2）
地域別では、主力の「North America」（北米地域）が売上高144億8,400万米ドル（約1兆5,497億8,800万円、同）、8.9％減と苦戦。特に第4四半期の落ち込みが大きかった。EBIT（税引前利払前利益）も28億9,900万米ドル（約3,101億9,300万円、同）と減少した。欧州・中東・アフリカ、及び日本を含むアジア・太平洋・ラテンアメリカも減収減益。「Greater China」はコロナ禍からの回復が速く、増収増益となった（表2を参照）。
チャネル別では、「Wholesale」（卸）が売上高231億5,600万米ドル（約2兆4,776億9,200万円、同）、8.9％減。「Sales through NIKE Direct」（DTC）は売上高123億8,200万米ドル（約1兆3,248億7,400万円、同）、5.4%増と堅調な推移だった。売上比率は33.1％（3.1ポイント増）とやや増加した。
財務面では、借入金が増えたことでD/Eレシオが悪化している。会計基準の変更もあり、自己資本比率が減少した。
