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ゴールドウイン、2020年3月期 決算説明会
今春の商況は順調に回復中

update: 2020/06/22

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会見に臨むゴールドウイン、 渡辺貴生 新社長

会見に臨むゴールドウイン、
渡辺貴生 新社長

ゴールドウインが6月19日、2020年3月期の決算説明会(実地とオンライン)を開催した。新型コロナウイルスの影響で、先月(5月)14日にテレフォンカンファレンス(電話による会見)を実施したが、今回は会場においての会見となった。今期から社長に就任した渡辺貴生氏のお披露目の場ともなった。

在庫コントロールが功を奏す

新型コロナウイルスの影響で、決算発表が軒並みオンラインへ移行あるいは中止された2020年3月期。自粛要請は解かれたが、人が集まる実地の会見は少なく、オンラインによる会見やセミナーの開催が増えている。主要な上場スポーツ企業の中で、改めて決算説明会を開いたのはゴールドウインのみ。前回と比較して、今回の決算説明会では今期の第1四半期の状況など、新しい情報が追加された。

ゴールドウイン、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

「ザ・ノース・フェイス」を主力ブランドに成長させた立役者と言ってもいい渡辺貴生 新社長のリアル会見デビューともなった今回の説明会。2020年3月期の結果について、渡辺社長は「厳しい市況だったが、増収増益を達成することができた。実需型ビジネスにより安定成長が続き、利益体質に切り替わった」と説明した。主力の「アウトドア関連」事業は売上高779億1,500万円(20.4%増)と好調な推移だった。売上比率も79.6%と高い水準だ。「アスレチック関連」事業は「カンタベリー」の健闘もあり、売上高142億7,500万円(3.0%増)と堅調に推移した。

利益面では、棚卸資産(在庫)の管理が奏功したようだ。自主管理売り場、卸売りが順調に推移し、商品の消化も進んだ。12月から一部春物を投入するなど、全体的に仕入れを前倒し傾向にしているため、短期的には在庫が増える傾向にある。しかし販売ロスを低減する取り組みが効果を発揮し、その比率は期を通じて1ケタ台を維持した。定番品もあるが、消化は順調に進んでいるようだ。