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アシックス、2019年12月期 連結決算
日本、ランニングが健闘、微減収増益に

update: 2020/02/17

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決算会見に臨む アシックスの廣田康人 代表取締役社長COO

決算会見に臨む
アシックスの廣田康人 代表取締役社長COO

アシックスの2019年12月期の連結決算は、日本や中華圏、主力のパフォーマンスランニングが健闘し、微減収増益となった。売上高は、為替の影響を除けば1.6%の増収。欧州を除くと、全地域において現地通貨ベースで増収を達成した。現地通貨ベースでは増収増益となる。前期に実施した構造改革の効果が表われてきている。

高い収益性の「オニツカタイガー」

アシックス、2019年12月期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2019年12月期
財務数値一覧(表1)

連結の売上高は3,780億5,000万円(2.2%減)と微減収だったが、為替の影響を除くと61億円(1.6%増)の増収となる。第4四半期(10-12月)の収益性が改善したほか、利益率の高いEコマースが成長したこともあり、売上高総利益率(粗利率)が47.5%(0.8ポイント増)と改善した。DTC(Direct To Consumer)の売上比率は30.4%、売上額が約1,149億円にまで拡大した。

営業利益は106億3,400万円(1.1%増)、為替の影響を除くと113億円になる。営業利益は5年ぶりの増益だ。同様に、経常利益も101億100万円(15.3%増)で増益を達成した。当期純利益は、前期に計上した「事業構造改革費用」211億円がなくなったこともあり、70億9,700万円と黒字回復した(表1を参照)。

カテゴリー別では、主力の「パフォーマンスランニング」が売上高1,781億円(4.4%増)と健闘した。かねて懸案だった「北米」地域では、売上高が546億円(1.9%増)と4年ぶりにプラスへ転じた。「スポーツスタイル」は減収減益と苦戦した。「コアパフォーマンススポーツ」は売上高429億円(4.4%増)と増収したが、赤字を計上するに至った。「アパレル・エクィップメント」は苦戦が続いている。「オニツカタイガー」が売上高455億円(10.1%増)、営業利益87億円(17.1%増)の増収増益。営業利益の過半数を稼いでいる(表2を参照)。

アシックス、2019年12月期 部門別売上高(表2)

アシックス、2019年12月期
部門別売上高(表2)

地域別では、「日本」が売上高1,209億円(2.3%増)と堅調な推移だった。「北米」は789億円(0.2%減)の微減収だったが、現地通貨ベースでは1.2%増。「中華圏」が394億円(0.6%減)と微減収だったが、現地通貨ベースでは4.3%増と堅調だった。「オセアニア」は184億円(4.6%増)。現地通貨ベースでは13.5%増と2ケタの増収だった。「東南・南アジア」は113億円(18.8%増)、現地通貨ベースでは21.2%増と高い伸びを示した(表2を参照)。