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主要各社の業績展望Vol.4 「ゴールドウイン」
1年前倒しで中計目標を達成する勢い

update: 2020/01/20

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ゴールドウイン、2018年度・2015年度 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2018年度・2015年度
財務数値一覧(表1)

2020年度のスポーツ主要各社の業績展望の第4回目は、ゴールドウインを取り上げる。「ザ・ノース・フェイス」を筆頭にアウトドア関連ビジネスが好調で、第2四半期および通期(2020年3月期)の業績見通しを上方修正した。中期経営計画の最終年度である2020年度(2021年3月期)を待たずして、1年前倒しで数値目標を達成しそうな勢いだ。

主力のアウトドアが絶好調

参考にする資料は、2019年3月期(2018年度)および2016年3月期(2015年度)の実績。過去3年間でどれだけ、収益に変化があったかを比較する。別途、添付した今期(2020年3月期=2019年度)の第2四半期の業績、および通期見通しも参考にされたい。

ここ数年、ゴールドウインの成長スピードは加速度的に高まっている。ほかのスポーツ企業では、国外ビジネスは伸びているが国内は横ばい、といった傾向が一般的だが、同社の場合は正反対で、圧倒的に国内ビジネスが強い。「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリー・ハンセン」といったアウトドア関連ブランドがけん引役になっているが、今期(2020年3月期)は、グループ企業のカンタベリーオブニュージーランドジャパンがラグビーワールドカップの相乗効果を得て、大幅に業績を伸ばしている。アスレチックブランドのテコ入れなど課題はあるが、概ね好調に推移している。

ゴールドウイン、2020年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表2)

ゴールドウイン、2020年3月期 第2四半期
財務数値一覧(表2)

2015年度に597億円だった売上高が2018年度には849億円にまで拡大した。今期もその勢いは続いており、通期で970億円にまで到達する見通しだ。利益面では、営業利益が31億円から118億円へ増益。経常利益も41億円から129億円に増加した。

過去の2018年11月に公表した中期経営計画の目標数値では、最終年度の2021年3月期に連結売上高900億円(当初目標800億円)、営業利益110億円(同65億円)、経常利益115億円(同73億円)、ROE15.0%以上(同11.2%)へ、当初目標を上方修正した。昨年(2019年)11月には再び、第2四半期と通期見通しを上方修正している(表3を参照)。本業が好調であることが最大の要因だが、同社は手堅く業績を予想する傾向もあるため、相次ぐ修正に至ったとみられる。国内市場では、一人勝ちの様相を呈している。