国内主要上場スポーツ企業4社、2025年3月期 第1四半期 業績展望
update: 2025/07/31
国内主要上場スポーツ企業の2025年3月期 第1四半期の業績開示を控え、前年同期の結果を振り返る。前年同期では、全てのメーカー(5社)が増収を達成した。うち3社が増益に至った。過去最高の収益を更新するケースも多く見られた。
コスト増のコントロールがカギに
対象にしたのは、美津濃(ミズノ)、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの4社(順不同)。いずれも2025年3月期の企業である。デサントは昨年、上場を廃止しているため、比較対象から外している。前年同期では、ミズノ、ヨネックスが過去最高益を更新した。計画的な経費増で減益となったゴールドウインも増収増益基調にあった。
前年同期のミズノの第1四半期は、連結売上高607億8,300万円(6.3%増)、営業利益が64億9,800万円(21.6%増)と過去最高額を更新した。経常利益も73億9,800万円(16.9%増)と2ケタの増益。四半期利益も51億3,500万円(10.0%増)で2ケタの増益。営業・経常段階で、利益率が2ケタ台に到達した。地域別では、「日本」が増収。「米州」の営業利益が過去最高額を更新した。「アジア・オセアニア」も過去最高の収益だった。
同じく、ゴールドウインの第1四半期は、連結売上高246億100万円(6.3%増)と堅調な推移。販管費率が高まったことから、営業利益は18億3,900万円(18.8%減)の減益となった。経常利益は、韓国の持ち株会社、ヤングワンアウトドアの持分益が貢献し、42億5,800万円(2.1%増)の微増益。四半期利益も36億6,000万円(9.4%増)と増益を達成した。事業区分別の売上高では、主力の「ライフスタイル」が146億6,800万円(9.7%増)とけん引役になった。
ヨネックスの第1四半期は、連結売上高310億6,700万円(11.0%増)。前年同期比に続いて、第1四半期として過去最高の売上額を更新した。営業利益は33億1,900万円(19.6%増)の増益。経常利益も37億3,400万円(15.1%増)と回復した。四半期純利益も27億9,700万円(15.4%増)で2ケタの増益となった。
前期(2025年3月期)は、各社共に増収増益基調だった。コスト増は慢性化しているが、国外ビジネスを展開する企業はそのプラス効果が見られた。引き続き、増収基調を続けられるのかどうか、収益性の改善、持続が焦点となる。