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adidas、2019年12月期 第2四半期
戦略的な成長領域がプラス、増収増益に

update: 2019/08/21

adidas、2019年12月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

adidas、2019年12月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

adidas(アディダス)社の2019年12月期の第2四半期(1-6月)連結決算は、主力の「Europe」(欧州)地域は微減収だったが、「North America」(北米)や「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域が2ケタ増と健闘したこともあり、増収増益を達成した。「Strategic growth areas」(戦略的な成長領域)に位置付ける「Greater China」(中華圏)地域と、「e-commerce」(Eコマース)が引き続き、2ケタの増収だった。

Greater China、Eコマースが2ケタの増収

連結売上高は113億9,200万ユーロ(約1兆3,898億2,400万円、1ユーロ=122円で換算)、5.4%増と堅調な推移だった。売上総利益率(粗利率)は、53.5%(1.8ポイント増)と改善。販売管理費率が40.9%(0.8ポイント増)と増加したが、粗利率の増加が上回り、利業利益は15億1,800万ユーロ(約1,851億9,600万円、同)、13.5%増と2ケタの増益を達成した。

税引前利益は14億6,700万ユーロ(約1,789億7,400万円、同)、9.7%増と増益。四半期利益も11億6,300万ユーロ(約1,418億8,600万円、同)、24.3%増と増益を達成した(表1を参照)。

adidas、2019年12月期 第2四半期 セグメント別売上高(表2)

adidas、2019年12月期
第2四半期 セグメント別売上高(表2)

地域別では、「Europe」が売上高29億7,200万ユーロ(約3,625億8,400万円、同)、1.7%減と伸び悩んだ。「アディダス」「リーボック」両ブランド共に減収だった。2018年に開催されたサッカーワールドカップの反動が影響したようだ。利益面では増益を果たした。「North America」は同23億7,000万ユーロ(約2,891億4,000万円、同)、11.7%増と2ケタの増収。スポーツカテゴリーを中心に好調な推移で、「アディダス」「リーボック」両ブランド共にプラス成長した。

日本を含む「Asia-Pacific」は同40億1,100万ユーロ(約4,893億4,200万円、同)、12.0%増と2ケタの増収だった。前述の通り、「Greater China」が2ケタの成長を果たした。「Latin America」(ラテンアメリカ)は8.0%減と大幅な減収だが、為替の影響を除くと0.6%増と微増である。「アディダス」ブランド単体では、同103億4,600万ユーロ(約1兆2,622億1,200万円、同)、5.9%増。「リーボック」ブランドは、同8億2,500万ユーロ(約1,006億5,000万円、同)、0.3%減だった(表2を参照)。

財務面は安定している。商品回転率が上昇し、粗利率が増加したことで、交差比率が改善した。自己資本比率が減少しているが、これは資産額が大幅に増加したことによる影響。株主資本の額は期首より増加している。